「忠臣蔵を冠してよいものか?」決算!忠臣蔵 たまさんの映画レビュー(感想・評価)
忠臣蔵を冠してよいものか?
忠臣蔵とは、武士道かくあるべしという美談であり、歌舞伎の演目や講談のネタであり、また映画やドラマの格好のネタである。史実はどうだったかと探るほうがむしろ野暮だよとでも言わんばかり、散々ネタにされてきた物語だ。だからこそ、日本人にごく僅かながら遺っているはずの忠義とは何かを描くべき。しかし、予告段階でコミカルなのは理解していた。演者から言って、超高速参勤交代みたいなものかと期待していた。たぶん面白いんだろうな、と。
従来の忠臣蔵に描かれているシーンが全くないのはある意味挑戦的。だが、仮名手本忠臣蔵をはじめ忠臣蔵美談で散々ゼニを稼いできた「松竹」がやることか?
吉本が絡んでいるのはどうでもいいが、では笑えるかというと全く面白い要素がない。この程度描いておけば客は笑うだろ、的なノリが気に食わない。算盤勘定シーンが多用されているので、あえてこの作品に払える金額を言えば、確実に十六文未満(かけそば未満)である。
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