「【算盤侍時代劇の新たな展開】」決算!忠臣蔵 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【算盤侍時代劇の新たな展開】
赤穂浪士の討ち入りを従来とは全く違う観点から描いた作品。
彼らが吉良の動向を探りに江戸に行ったり、討ち入りの武具を揃えたり、食事をする度に画面上に費やされた金額が浮かび上がる所や、討ち入りの人数が多いため、大義名分を声高に唱える武士達を大高源五(濱田岳)達が、巧みに言い含め、彼らが保身に走り討ち入りを止めさせる姿を”リストラ”というタイトルで描き出す場面は面白かった。
が、忠臣蔵をテーマとしたのであれば、最後は誰もが期待する場面で締めて欲しかったなぁ。
これも節約かな?中村監督。
期待したカタルシスが感じられなかった作品。
僭越ながら、私だったら、赤穂浪士達が結束して、面白おかしく知恵を捻って討ち入り道具や火消しの衣装や隠れ家なども手作りし、ラスト、主君の仇を見事に討った後、
”血の滲む思いで、節約・倹約に務めつつ、主君の仇を討ったぞ!と大石内蔵助が吉良の首級を高々と掲げながら叫び、泉岳寺へ四十七士が歩んでいく・・。
で、テロップに <総決算黒字 ぎりぎりまで切り詰めた経費削減で純利益1000両+武士の面目も保った赤穂浪士 天晴> とかベタだけど流すけどなあ。
<予算案審議の時期に合わせて膨れ上がる防衛費を揶揄した作品と邪推したが、良作コメディの基本である笑いと涙のバランスが取れていないので、少し残念な思いが残った作品>
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