天気の子のレビュー・感想・評価
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切ない
現代ほど若者が社会的インフラやシステムに恵まれている時代もないと思うが、その実は全くあらゆる面で未来に希望が持てていない。現代を象徴するような始まりだった。
そんな絶望的な今を雨は象徴するように静かに降り続ける。もがく二人の純粋な気持ち。若者の思いを未来を絶望の雨から希望の晴天に変える能力になぞらえ物語は進んでいく。映像美は圧巻であった。
警察という現実社会の絶望が迫る中、只今の恋愛感情のままに刹那の幸せすら危うくなってゆく2人。常識で見れば警察が正しく思うが、物語の流れで見るなら主人公を応援するので、鑑賞者の二律背反する感情を揺さぶる後半の演出は見事だった。
主人公の望みは叶うけど、未来は相変わらず絶望の雨で満ちている。そんな終りで最も印象的な言葉があり心に残った。
あまり考えすぎるなよ。この世は狂ってるんだから。
親子で楽しめる「boy meets girl 」film
「なんか自分さえ良ければいいのかって感じで登場人物の誰にも共感でき...
まさに新海誠ワールド!
新海監督、天変地異好きやなぁ。
演出は素晴らしい、神秘性、構成は物足りず
映像の美しさや、音楽とともに感情を高めていく描き方、演出は本当に素晴らしい仕上がりになっていたと感じました。
雨上がりの屋上からながめる美しき夕焼け、心躍る音楽とともに晴れゆく空、これらは「君の名は」に劣らず、臨場感あふれる新海ワールド全開だったなと思います。
けれども、構成とか、神秘的な描き方(「君の名は」と比べると)に関しては、物足りないなと思いました。
以下は、ただのヘイトというかは、次もっと改善してほしいなっていう善良なクレームだと捉えていただければと思います。
1.風俗街とか、ラブホ、ピストルを使う描写が本当に必要なのか?
現実的すぎて、生々しい。オリンピックとかもあるし、東京をあまり低俗なイメージにして欲しくなかった。陽菜が、お金のために、お店に入ろうかなって思って迷った描写も。もう少し、純朴で、透明感のあるイメージを保ってほしかった。そうであってこその、巫女的女性のイメージをぐっと出せるし、神秘的な女性などを描けるのではないかなと思いました。また、ラブホに中学生以下の子どもたちが泊まっているシーンとかは、倫理観がずれているように思う。ピストルの使用も、2度あったが、特に2度目は故意に威嚇で振りかざしている。実現したいことを阻むなら、ピストルを使ってでも良いのだろうか。
2.本当にあのラストでいいのか?
陽菜さんに会いたい、ただそれだけで、世界に対しては責任を感じず突っ走ることは、純粋な愛の行為だと言い切って良いのだろうか。「君の名は」で多くの共感を得たところは、愛ゆえに「この世界を守りたい」と思って、勇気ある行動を取って、世界の運命を変えた、というところではないだろうか。「天気の子」は真逆で、この世界の「空気」に媚びないという爽快感はあるが、悪く言えば自己中的な考え方がどうしても共感しきれない。
新海ワールドの真骨頂は、「会えそうで会えない。けれども、どんなに遠くに離れても。愛の力は必ず時空を超えて運命的に引き合う。」という構成が、観る者の心を共感させ、憧れさせ、(「君の名は」では)最後に神仕組みのようなめぐり合わせが、さらに感動を高めていく。そうしたところが本質にあるのではないかと思います。
今回も、結論だって、やりようによっては、陽菜も世界も守るという選択もできたと思います。あまりにも簡単にあっさりと結論が出てしまい、「えっこれで終わっちゃう?」という良い意味でのハラハラが足りなかったところもあり、展開が直線的すぎたかもしれません。
あと、我々にとってあまりにも現実味のあるシーンが多すぎたため、映画の世界と現実をつなぎ合わせるパイプが強すぎたことが、リアリティを追求しすぎて、神秘性を損なわせてしまったと思いました。
より素晴らしい作品が観れたのではないかという、新海誠監督への期待値の高さが、普通なら高評価のところを、低めに評価してしまった原因かもしれないですが、とりあえず以上です。
今まで見た映画でトップレベル!
やはりダメだ
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