天気の子のレビュー・感想・評価
全1227件中、261~280件目を表示
新海誠の良さがそこここに
これまでの新海誠監督の映画で好きな作品は「言の葉の庭」、「秒速5センチメートル」でした。
前作「君の名は」は、評判は別として、期待していただけに、内容の幼い感じが、少し残念な作品でした。
本作「天気の子」は、これまでの新海作品の良いところが出た、本当に気持ちの良い、言葉通り快作になったと思います。
映像の美しさ、特に水の描き方は「言の葉の庭」を思わせる秀逸な出来、また雨に黝んだ空がドラスティックに光り輝く光景に変わっていく様は、それだけで感動的ですらあります。
空と光の美しさの描写、またアニメではあるものの所謂カメラアングルの巧みさを思わせる憎らしい表現も見どころです。
そして、ストーリーは軽快で痛快、台詞も軽妙でウイットにも富んでおり、思わずくすりと笑ってしまう場面も多々あります。(台詞の面白さ、巧みさは、小説版「天気の子」読んでみると更に良く判ります。)
オープンソング、挿入曲、エンディングソングの音楽も映像によくマッチしていて共感を更に強くします。
今回、日本の広域に被害をもたらした台風があったばかりで、殊更に臨場感が有って、その点からも、地球の環境変動の問題に関しても一石を投じた作品とみる事も出来ます。
新海誠作品の3指に入る作品でしょう。
思わず3回も観てしまいました。
決して万人受けする結末ではないものの、映像、音楽、すべてが極まって...
新海誠流、叛逆の映画
映画の序盤、人々の希望、この世界、笑顔、これらはみんな素晴らしいものであると、これでもか!と、超綺麗な作画で描いておきながら・・・
本作では、これらを全部ひっくり返す。
「一人の女のためなら、こんな世界など壊しちまってもいいんだよ!」という結論となり、最終的にぶっ壊す。
この展開にはしびれた。本当にお見事な叛逆の映画だ!
本作では、「君の名は」とは違って、社会システムからこぼれ落ちてしまった人たちの物語。システムを頼れないが故に、仲間同士で助け合い、懸命に生き抜こうとする。
がしかし、システムに依存している人間たちは、そのシステムを維持するために、こぼれ落ちてしまった人間たちをシステムに当てはめようと、迫害する。
穂高と陽菜が救おうとしていたのは、システムに依存していたこの人たちだぜ?にも関わらず、彼らから迫害を受けるって酷くね?そもそもこのシステムがクソなんであって、こんなもの救う価値なくね?その通りだよ!穂高、陽菜よ、こんなシステムぶっ壊しちまえ!
その通り。この映画は万引き家族なんすよ。
映画の終わりに、おばあちゃんが「世界が壊れたのではなくて、元に戻っただけだよ」と言う。この言葉は、今の時代に生きる我々にとってとても意味のある言葉である。
いま世界で、民主主義が危機的状況にある。社会の形が大きく変わろうとしている。でも実は、「変わる」とはいいつつも、民主主義が生まれる前の、元の状態に戻ろうとしているに過ぎない。
ですから中流階級の皆さん。なにも悲観することはないのです。安心して下流に落ちて下さい。下流に落ちたら、この映画の穂高と陽菜たちのように、仲間同士助け合い力強く生きていきましょう。中流のマインドで、自分だけが助かろうなんていうことは、決して思わないように。
理念のない人達の集団。それが日本。だから同じ過ちを繰り返す。昔、山本七平が分析した通りだよね。
台風19号通過翌日に鑑賞
結果的に最高のタイミングだった。相変わらず綺麗な映像を作ってて音楽も良かったです。しかし前作程のインパクトはなかったです。
君の名は本当に思い出深くて、なんとなしに見に行った時に映画館は超満員で俺以外全員カップル。俺の横には超満員なのに誰もいなく恥ずかしい思いをしました。
また夏祭りと彗星、運命というキーワードが青春しているカップル達にはストライクだったんでしょうね。もう皆メロメロな雰囲気で映画観賞後は皆しみじみと甘い溜息を漏らしながら君の名はの余韻に浸り、トロンとした笑顔で帰っていってました。
それには匹敵しない。共通のテーマとしては愛というのがあると思いますが今回はそれに加えて地球温暖化というのが加わりました。それが良くなかった。説教臭くなってしまったんですね。学生は説教が大嫌いです(笑)
それにグレタとかいう少女が最近話題になっていますが、地球温暖化を危惧する層というのは無知なのか核融合炉の商業ベースでの試験が2026年にあるのを知らない。だから危惧してるんだと思うけどこの情報知ってたら大丈夫だって分かるよね。悲観的過ぎる。
大人には自分の力の及ぶ範囲で責任を果たしたいと思っている人もいるよ。
見た後のモヤモヤが凄い
新海誠のいいところは
前作気にせず見たら面白い
前作の君の名は。と同じボーイミーツガールのお話で、前作は女の子が一生懸命走って、今作は男の子が一生懸命走ります。
ついつい前作と比べてしまいます。なにしろどっかで見たことのある人物がチラホラ出て来るし。
相変わらず新海氏の作品は綺麗で美しいけど、今回作はチョット内容が甘かったかなという印象。ストーリーの大筋が前作と同じ様な気がします。
綺麗な映像の純愛
東京の街並み綺麗。新宿の映画館で見ましたがまさに新宿が出てきて場内...
東京の街並み綺麗。新宿の映画館で見ましたがまさに新宿が出てきて場内も、あれここじゃんみたいな感じでちょっとざわつきました。笑
穂高の家出の理由がよく分からなかったり、銃のシーンは果たして必要なのか?とか思ったり、警察どんだけ子どもたちに逃げられとるねん!とか思ったりもしたけれど、
空が青いだけで明日もがんばろうと思える。って。そんなセリフや、
高校生の2人が、例え世界が滅んでも、一緒にいたい!と言ってる姿はキラキラしてて、心が洗われます。
ジョーカーを見た後にこれ見て、あー純粋な気持ちで、見れるーって思ってたんだけど、ジョーカーも天気の子も、テーマは「世界は元から狂ってる」っていうことだって誰かが言ってて震えた。
たしかに。
日本に生まれて本当に良かったと思える映画
新海誠監督がいるだけでも。『君の名は。』の期待を背負って世の中の無用なプレッシャーのなかで、その期待値を超えてくるのは天才でしかない。プロデューサーの川村元気さんの才能も大きいかもしれないが。
まずなにより映像美。現実ではない世界であれほどのリアリティを持って、さらにアニメの力をフルに活かしてリアルを超える夢を魅せてくれる。
東京の街並みを知っている人にとっては唸るほどの再現度。McDonaldにSUNTORYにYahoo!知恵袋まで…これでもかとプロダクトプレイスメント(タイアップ?)が溶け込んでいる。広告スポンサーにうがった見方もされるけど、一方でエンタメにおいてパトロンは重要だよね。
そして子どもから大人まで楽しめる仕上がりになっていながら、ど真ん中には人間の普遍的なテーマが凝縮され詰め込まれている。
巨大なる自然の前には人類なんてかりそめの借りぐらしのホモサピエンティだし、束の間の小さな存在なのに、昔から自然災害(人間にとってはそうだが、宇宙の歴史からしたら当たり前のホメオスタシス)に抗ってきた。
結局、人類だって生態系の一部で、その存在意義、歯車の一片にすぎない"価値"に気づき自覚しないといけない。
日常の些細なことに悩んでいることが本当にバカバカしくなる。小さなことを気にしたり意識高い系になろうと、「この世界なんてもともと狂ってる」から。
あっちを立たせばこっちが立たず…多様な世界において決して思い通りにいくことなんてない。
でもそれでも、目の前の人を愛し大切にし、やりたいと思えることに素直に向き合うことで、半径5メートルのささやかな幸せは手に入れられる。
だから「僕たちは大丈夫」だと背中を押してくれる。
たくさん心に響く言葉があったけど、一番刺さったのは、
「神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください。」
一度きりの限りある一瞬の人生、無駄な欲は持たず、ただ楽しめばいい。
それと、またRADWIMPSがいい仕事する。野田洋次郎の歌詞に抉られる。
永久保存版の日本映画の代表作である。
全1227件中、261~280件目を表示








