天気の子のレビュー・感想・評価
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大人になったら「16歳の頃の自分の事」など忘れてしまっている。
昔、誰かがラジオで言ってた。そのうち、「16才の頃の自分の事」など思い出せなくなってしまうと。何を感じ、何を考えていたかなんて、きれいさっぱり忘れてしまうと。
好きな本も、歌の歌詞も、友達の口癖も、お気に入りのワッペンの柄も。アディダスのバッグの重さも、宿題をやらなかった理由も、大好きだった菓子の味も。死ぬほどイヤな先生のことも忘れ、得意なギターのリフも弾けなくなる。あれもこれも忘れてしまうらしい。大好きな女の子の、笑顔さえも。
忘れる訳、無いやん!絶対に覚えておくから。と思っていたのに、やっぱり忘れてる、概ね。
人生棒に振るには早すぎる。熱くなり過ぎだ。冷静になれよ、少年。来年の今頃は何してるつもり?後悔するぞ、絶対に。それでも良いのか、少年?
ほらね。16歳の頃の事など忘れた大人達が、そんな事言ってる。なんつー事を思いながら眺めるスクリーン。
静流(しずる)風景の中で、純愛だか、無垢ゆえに増幅した憧れだか、なんだか分らないモノに突き動かされる少年の暑苦しさが胸を打つラスト30分。走るシーンに弱いってのもあるけど涙がジワジワジワ…
良かった!とっても。
ところで、アパートを訪れた婦警が四葉?
で、手錠は使わんのか…
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8/13 3回目を観て修正完了。
◆家出の理由/須賀が島に居た理由
帆高は光を追い掛けて家を出ます。顔の絆創膏は喧嘩の後。「絶対に帰りたくない」のは、あの光に再び出会うまでは帰らないと言う「純粋」、及び子供っぽい意地っ張り。オカルトライターの須賀がフェリーの乗り合わせていた理由は不明。「空から魚が降る」あたりか。雨の船外に居た理由はタバコが吸えるから。要するに、あの光や水塊りと言う不思議な力が、陽菜を含めたキャスト達を引き合わせる鍵になっている。
家出した帆高の両親が警察に届けたのは「家出人捜索願い」では無く「行方不明者届け」。両親は帆高に帰って来て欲しいと考えていない。
◆陽菜のチョーク (※職場女子に首飾り言うな!って叱られた)
多分、このチョークが「天空の巫女」の象徴で、天神との力の繋がりの源なんだと思う。陽菜の家系で引き継がれてきたものと思われ、ゆえに母親から陽菜へと引き継がれ、あの日、あの光に誘われてあの場所へたどり着く。病室で陽菜が母親の手を握ったら風が起き石が輝く。石は陽菜が天上に連れ去られた時点でグレーに変色。チョークは帆高と地上に戻った時に切れており、石は無事。色はグレーのまま。
◆人身御供と廃屋ビル屋上の祠
物語の登場人物が、その行動原理と齟齬する言動を取る。観ている方が「ご都合主義だ」と感じるケースの中の一つです。天神、と言うか神様にも原理があるはずです。「神社の鳥居」は空への「門」。その時が来たら「石」を持つ者を「人身御供」として天に連れ去る。その時までは、祈れば雨を止ませる。ただし生命は削らせてもらう。石が壊れれば人身御供からは解放する。こう言う設定なら、見せられた物語との齟齬は発生しません。
問題は「誰が彼岸のお供えをしたか」です。「石を持っていた陽菜の母親が元気な時」、なら合点が行きますので、そう仮定します。「神」は、命が尽きる間際の母親の後継者である陽菜を、あの光で廃ビル屋上に呼び寄せる。鳥居をくぐった陽菜の身体を天上に運ぶが、まだ「その時」が来ていないので廃ビル屋上の祠に戻す。
◆拳銃の必要性
拳銃は「東京こえぇー」の止めとして物語の中に現れます。
*陽菜を、天候正常化の犠牲とする。
*陽菜を守るためには、どんな犠牲も厭わない。
この二つの対比の中で、「陽菜を守るための犠牲」の「彫りを深くするため」に拳銃を持たせたのだと思います。「最悪、誰かを殺めることになっても陽菜を守る」。普通の男の子よりむしろ小柄でひ弱さが目立つ帆高。武器として、入手可能で威力最大なのが拳銃だと言う発想だと思います。
◆須賀の人格設定と涙の理由
擦れて拗れた「子供」の様な男。妻への愛に捕らわれたまま、一人で過ごす。少年への無意識の共感。愛情とは呼べないが、少なくとも身を案じ傍に置いておきたい存在。保身のため、娘との生活を実現する上で邪魔になり追い出す打算。
須賀の元を訪れた刑事は、帆高の逃走理由などを話しながら歩き回ります。事務所は、窓の破損を怖れて開け放った為に水浸しになっています。壁には、須賀の妻が書いた須賀へのメッセージが、数年間手付かずのまま残っています。柱には娘の「背」を測ったマークが三年分。
「それほどまでに一緒にいたいと思える相手がいるのはうらやましい(記憶曖昧です)」と言う刑事の言葉の前に、涙はこぼれていた。
涙は「妻への想い」「妻の死後、親権を守れなかった自分の惨めさ」。一緒に居たいと思う家族が居るのに、居られない己れの悲しさ。
続いて帆高への想い。追い出してしまった事への後悔。打算で生きる自分。真っすぐに誰かに向かう気持ちに突き動かされている帆高。助けてやれば良かったのか。人生、棒に振らせるわけにはいかない。助けに行こう。
姪っ子は行き先を知っている。電話して行き先を知り先回り。ビル特定はGPSの履歴で解る。ビルの中に入って歩き回っているところに穂高が現れる。「帆高、探したぞ」の言葉につながる。
◆最後の場面、陽菜は何を祈っていたのか
結局、同じだと思うんですよね。「この雨を止ませて下さい」。ただし力は石と共に消えているので天空に上ることは無い。
多分、西の空は晴れとは言えないが明るさを取り戻している。雨はいつか止む事を示唆していると思われ。
◆東京の水没リスクと晴れオンナの都市伝説
そもそも東京23区の2/3は、10mの高潮で海面下に没すると主張する方もおられます。また、地下排水設備のキャパは50mm/Hしかありません。元々東京は水害に関しては極めて脆弱な地区です。20世紀初頭には、高潮で600名近い犠牲者を出したこともあります。むしろ、この100年、大きな災害に見舞われていないと言う事実は確率論に反すると言う人もいるくらいです。つまり、100年の間に人知れず、災害を引き起こす天候を治めるために「神隠し」となった女性は、何人も居たのかもしれません。それが都市伝説化。
ちなみに、10mの高潮なんかめったにないよ、って思うのはヤバいです。満潮と豪雨と低気圧が重なれば、東京の旧いカミソリ堤防は簡単に決壊すると思われます。
◆「君の名は」との時系列問題
二回表示されるTwitter画面、2人の刑事が食べる立ち食いソバの食券の表示から、2021年確定。瀧と三葉の再開後。テッシーとさやかは結婚後の出来事。
◆〇人身御供 ×超能力
異常な雨を降らす天神は人身御供を取って雨を止ます。晴れを呼ぶ力は人身御供になるものの証。神社の天井画は800年前に書かれていて、人身御供を取る異常な雨は数百年単位で起きている事を示唆していると思われ。「君の名は」の彗星は1,000年に一度の出来事。こっちは300~400年くらい?
◆5人とも発見
瀧は晴れの依頼人宅。三葉は指輪の販売員。てっしー夫妻はフリマの晴れ間をマンションから眺める後ろ姿。四葉は陽菜が天に居る間の晴れ間を眺める3人の高校生の中に。
◆「僕たち」は大丈夫だ
水没したベイブリッジをまたぎ、肥大化した東京湾を進むフェリー。K&Aを訪ねて皆の安否を確認した帆高は、陽菜の元を訪れます。アパートへの坂道には、開花も散るのも早まった桜の花びら。見上げる坂の頂上に、陽菜は立っていた。その向こうには、葉桜が立ち並んでいます。
世界よりも君を選んだ。この世界が狂っても、君を守ろうと思った。東京は少しづつ水の中に沈み、それは僕らがやった事。ごめんなさい。でも今日、元々東京は海だった。世界は狂ってなんかいない。思いあがるな、と言われて、そうなんだと救われた気分がした。
帆高の心の中で、罪の意識と赦された解放感が交錯しますが、陽菜を姿を見た瞬間に、何かが胸を貫きます。
君を選んだ事を後悔していない。世界のカタチを変えてしまったけれど、その、新しい世界の中で僕たちは生きて行ける。皆、新しい生活を始めている。いつまでも罪悪感に苛まれる事は無い。だから「僕たちはきっと大丈夫だ」。
世界は変わっても、開花時期は少し変わっても、咲き続ける桜が進化適応の象徴じゃないでしょうか。「僕たち」は「二人」じゃなく、「新しい世界に生きる全ての人と命」まで含めたものだと思います。
◆須賀嫁晴れオンナ説棄却派の解釈
晴れオンナの運命を知っていて、娘に会うために「晴れ」を依頼する。で、「わりーな」のセリフ。へ?下衆過ぎて引く。人格疑います。打算で生きていても純真を忘れてない、姪っ子から愛されるダサい不良中年と言う人格の印象が、一気に「ただの下衆野郎」に成り下がるのは、ちょっと受け容れ難い。
娘の喘息発作発生のリスクを、少し下げるだけの効果しかない天気のために命を捨てた妻。無いです。逆に、それがアリなら、須賀夫婦の娘への偏愛も相当なものでしょうし、喘息への危機感もかなりのものでしょう。東京なんかで生活はしてないと思います。それでも、あのK&Aのビルで子育てしていたのなら、親としての神経を疑ってしまう。
廃ビルでの須賀の言動。晴れ間が続くようにと帆高を止める、ってのがAlt1。帆高の身を思い止める、がAlt2。Alt1の場合、娘ファーストの須賀が最後の最後に穂高を応援する側に転じる合理的な理由が無い。そもそも、廃ビルでの須賀の言動は「"超常の力を持つ"晴れオンナの実在そのものを否定している」と考えた方が違和感が無かった。
「過度の類似性は物語を易くする」。その境遇に置かれたのが陽菜一人であるからこそ、観る人に訴えかける「立場の重さ」が際立ちます。
昔(おそらく数百年単位の話)は、どこにでも天気の巫女が居た。これが神社で聞いた話。人間は世界も天気も変えて来た。これが冨美の意見。神社で聞いてきた「昔」の話を、「現代」の冨美に否定させています。このつながりは意識して作られていると思いました。ついでに言うと、初期の占い師の話。この3人が「ストーリーの隙間を埋める役割」だったと思います。更に言うなら、この3人が語った事から想像できないものは、前提条件に非ずとの理解。
初回上映回で見れました!
「君の名は」の監督最新作
というバイアスがかかりがちな本作
率直な感想としてはやはり「君の名は」よりも面白くない
ただ、単品のアニメーションの映画としては極上の面白さとクオリティ
前作でやや影を潜めた「監督らしさ」と、前作から習得した「キャッチーさ」がうまく融合していて素晴らしいです。
「天気」という万人に理解がある事象を中心に、東京の天気による様変わりを美しい映像で見事に描いているし、そこで起きる青春ボーイミーツガールの輝きをより引き立たせている!
前作バイアスが最大のライバル!
美しい切なく応援したくなるファンタジー
初日初回で観てきました
、
俺は、君の名は。よりこっちのほうが断然好きです。
SFではなく新海監督としては希少ながっつりのファンタジー
、
監督の「賛否意見が別れると思う」てのは物語の結末もあるだろうけど、犯罪美化とも取れかねないシーンが山ほどあるからかも知れないです。批判を恐れていては描きたい物を描けないって意思の表れかも
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新海監督が描いた新しい若者像は新鮮でした。
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本田翼の演技に不安がありましたが、むしろ彼女がこの映画をひっぱってたように感じました。
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都内の聖地巡礼が賑やかになりそうです。
、
しかしファンサービスは、匂わすどころか笑っちゃうほどガッツリだったなww
それと、花澤香菜さんと佐倉綾音さんが実名で出てるので探してみてください。名字が違う?そこは小説も是非ご覧ください。
2回目も観たいです
隕石と雨は比べない、「君の名は」とは比べない
「君の名は」と比べると、今回は隕石落ちてこないので少しさみしいけど、単純に映画として面白かった!比較しなければ満点。
京アニの世界一の職人たち。この映画は京都アニメーションとは関係ないと思いますが、日本のアニメは世界一です。
アニメを作っている皆さんは世界一のクリエーター。私たちは誇りに思います。
もともと新海誠ファンですが、前回は「君の名は」を公開週の週末に見に行ったら高校生に囲まれてきゃぴきゃぴ(死語)されたので、今回はあさイチ鑑賞です。
せっかくなので成田のIMAXで鑑賞。
いつもびっくりのスクリーンサイズ。
池袋にもIMAXがオープンしたらしいですが、横サイズはほとんど変わりません。高さは違いますが、映画は高さ無いので変わらないのだろうと。成田IMAXバンザイ。
「君の名は」がヒットが過ぎたので、どうしても期待値も高くなってしまいますが、ジブリ作品でも好き嫌いがや当たり外れがあるように、出来るだけニュートラルで、期待値下げて鑑賞。
新海誠作品らしく、新宿と雨の表現がとかく美しい。
最後の主題歌までの壮大なPVと言われても良いものは良い。
「君の名は」は帰りにサントラ速ダウンロードでしたが、今回は前夜にサントラもiTunesで即購入。
今回は「てるてる坊主」的な話かと思ったら良い意味で裏切られました。
「君の名は」も「階段転げ落ちて入れ替わるだけ」だと思ったら全然違った。のと同じ。
「え!?」となるのもいい。
声優さんのはプロをやっぱり使って欲しい。上手い下手の前に、声を聞くと俳優さんの顔が浮かんでしまう。そういう意味では、主演2人はとても良かった。新人とは思えなかった。
新海誠監督も心配していたラストですが、、、ネタバレしませんが、私は好きです。
そして、瀧くんと三葉がでてる!
四葉はどこ?
花澤香菜がいた?ユキノ先生?
みたいな仕掛けも嬉しい。
つまり、、、
この世界は隕石も落ちるし、大雨も降るのね。
学校サボって新宿御苑散歩してたのが懐かしいですね。
やっぱり新海誠監督がいちばん好きですね。
まだ公開されたばかりですが、次回作はもっと大人の恋も見てみたい。高校生の恋愛もいいですが、「言の葉の庭」のようなちょっと大人な話で、ファンタジーではなく現実的なストーリーもまた見たいです。
大衆向け
大衆向けって感じ。新海監督の世界観は好きなんだけど、声優も売れっ子の声優を本業としていない人が多め、だから、がっかりした。
売れてる声優を使いたいなら、大手ゲームとかでCVやってる人とかにお願いした方が、クオリティも上がるし、その声優さんのネームバリューにもなる、それが後々の声優界の期待になるかもしれない、、しっかり自身の与えるインパクトの大きさを自覚してほしい。
大衆ウケ
世界最速上映会にいきました。
長年拗らせヲタをやってて、君の名はでは泣いて、年に何回かは新海誠アンチになる事もあるけど、やっぱり私の心の底には新海誠が住み着いていて、ああ私の人生はこの人の作品に出会うためにあったんだなって思って、覚悟を決めて見ました。
でももう新作は追えないかもしれない、と思いました。
昔の作品は大好きです。どれも私の人生においてかけがえのない作品です。
あれから半日経ちました。色々思い返すととてもいい作品だとは思います。
気になったのは言の葉の庭の金麦のような商品のアピール、そして本田翼の声優、異常に増えた叫び声…
監督のファンなら興奮してしまう小ネタ、相変わらず美しい描写、秒5のようなカット、
私の心は通り過ぎて行ってしまいましたが、この監督はこれからも、ずっと人々を幸せにするんだろうなと思います。
WEATHER WITH YOU
この作品を観て、天気のことについて深く考えました。
観測史上最大とか○○年に一度とかは人間が勝手に測り始めて、今に至るものなんだと思いました。昔はもっと水量が多かったりもするのだと想像が膨らみました。
帆高がひたすら大切なものを救い出すために必死になる姿が印象的でした。
水が本当に綺麗。あれになら打たれたい(笑)
この話はもしかしたら現実に近く起こりうるものではないのかなと思いました。都市も水に沈んじゃうのかなって。
誰もが大人になっていくと共に大切なものができて、大切の順番を変えていくと思います。成長は時に素晴らしく、時に残酷です。須賀さんと帆高がその2つの感情を表しているように見えました。
「君の名は」とはまた違った新海誠監督作品として観に行って欲しいです。
(ノースリーブパーカーいいなぁ)
最高すぎる
やはり天気の子という作品をみて新海誠監督は改めて天才だということが分かった。
観客を圧倒する映像美、音楽の使い方はもちろんだが、ネットでは批判も多い今回のラストが個人的には凄く良かった。
主人公のわがままなのかもしれないが東京の人々を犠牲にしてまで陽菜を助けたかった、そして帆高が陽菜を助けたあのラストが本当に最高だった!
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