天気の子のレビュー・感想・評価
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人が人に出来ることは何か
私は24歳ですが、今の若者たちは(私だけかもしれないですが)人と人との関係性が希薄で、経済成長も見込みにくい世の中で育ってきたので、自分の生きる目的が見つけにくいという実感があります。それでも尚、人は人と関わり、自分の役割を模索します。その中で、大事な出会いがあり、自分の役割を見つけます。そして見つかった自分の役割を、大事な人たちのために果たそうと一生懸命に頑張ります。
この映画からは、自らの役割が見つかる喜びや、それを助けてくれた人への感謝が伝わってきました。間違いなく今の若者に刺さるものがあると思います。
改めて自分の大切な人たちを大事にし愛そう、そして自分の役割を果たすために頑張ろう、そう思わせてくれる映画でした。
青春が眩しくて苦しくて切なくて最高
もう三十路を超え、日々の生活に段々と潤いがなくなってきたように思う。決まった時間に起きて、作業的な仕事をこなし、家に帰ってもこのところイヤイヤ期絶好調の子供と、何やら不機嫌な様子の妻を相手に、さてどうしたもんかと考えていると、また朝が来る。人生とは、どうもこういうものらしい。今日は朝から雨が降っていた。
高校生の頃、ちょうどRADWIMPSが少しづつ流行り始めていた。「25個目の染色体」がリリースされた頃だから、もう15年も前の話。イヤホンから流れてくるそれにのせて、登下校の自転車の後ろに好きな子を乗せたりなんかしながら、田んぼ道をぶっ飛ばしていた。「めっちゃよくない?」とか言って、無理無理CDやMDを友達に押し付けながら。トレモロ、有心論、いいんですか、の頃。思春期真っ只中の高校生にとっては今も昔も青春を大いにブーストさせる魔法の薬。そんなRADWIMPSの音楽があの頃と変わらず10代20代の心の中心にあるのはとても嬉しい反面、丁度こないだの春から高校生になった姪っ子に「RADWIMPSって知ってる?」って言われたときにはさすがにジェネレーションギャップ的なあれこれでぶっとびそうになった。
青春の記憶というのは、人の心にひどく長いことこびりついて、どういうわけかなかなか落ちない。新しい恋で上書きしたり、あの時以上の挫折失敗を経験しても、完全に別名保存のプロテクトをかけた永久保存版。さらに面倒なのが、年々美化されながら、容量が重たくなってくるということ。これが本当にやっかいで、30を超えた今でもあの時の思いに色々と後ろ髪を引かれている。恥ずかしくも瑞々しい記憶の塊だ。16歳のあの時あの一瞬、 誰もが皆無敵で、なによりも輝いていた世界の中で、本当に自分のことだったのかと疑いたくなるような、煌きに満ち満ちた時間の話。
ついつい大人になると、次の一歩が出にくい。リスクを知ってしまったからだ。引き返す方法も知っているし、やりなおしの方法も知ってしまった。安全策をとりたくなるあの瞬間に、「あの頃はなぁ...。」なんて思いが、顔をのぞかせる。ダサいよなぁ。本当ダサい。目の前で若い子が頑張っているのに、何やってんだろう。貴樹くん、明里ちゃん、孝雄くん、滝くん、三葉。そういえばみんなすごかったよな。
たとえ相手が警察だろうが軍隊だろうが世界だろうが関係ない。雨に嵐に雪や雷がきたって、異常気象がなんだ。僕は君が好きだ。それで十分。なんてシンプルで強い思い。帆高くんが全力で走る。そこにRADWIMPS。陽菜さん。嫌が応にも自分の奥底にあったあれやこれやが引っ張り出される。不覚にも、最後の30分、涙が止まらなかった。だってどう考えたってずるいだろう、新海誠×16歳の青春×RADWIMPSは!「君の名は。」のときにも同じことを思ったけれど、16歳に、負けんなよおれ。これは映画だ、フィクションだ、人生はこうもドラマチックではないし、都合よくことが運ぶようなこともない。けれど、なによりもドキュメンタリーでリアルなのが人生だ。がんばろう。帰りにシュークリームを3つ買った。家で待つ、妻と娘の機嫌が良いことを祈る。
共感出来ないと辛い
普通に期待以上に楽しめた 思ったことを殴り書きします!
期待せず見れば面白い。でも、、、
タイトルどおり
期待せず見れば単純に面白い作品。
新海誠監督作品だというのが、
この作品にとっては大きな重荷?だということなのだろう。
映像は見とれるくらい美しい。
ただほかの多くの方がレビューに書いているが、
主人公帆高の自己中心的な暴発ぶりに共感が起こらない。
他にも、なぜ帆高は家出をしたのか?
なぜそこまで家に戻りたくないのか?
どうして身分証明書がないのか?
設定の説明がないために、
ふわふわしたままヒロイン陽菜に会い、
恋をして、追いかけて、失いたくない一心から、
周りを振り回すという展開がちょっとついていけない。
『君の名は』のようなシナリオの精緻さや世界観の深さはない。
全体的にレベルが下がったことは間違いないという印象でした。
ただ、エンタメとしては申し分なく楽しめる作品。
前作のプレッシャーのなかよくここまでのクオリティーに仕上げていったとおもいます!
京都アニメーションの放火事件の直後だけに、
今後もよりよい作品を生み出して世の中を明るくしていた抱けることを願ってます。
新海誠監督、ありがとうございました。
そして、次は世間に評価される作品より、
あなたが本当に創りたい作品が見てみたい!
少年、無茶するね。
もう少し甘さを控えて、、+考察
はじめに
以下の文章は、好きが高じて批判的になっていることを、どうかご理解ください。本当はいいところを述べたいのですが、性格上、どうしてもこんな文章になってしまうのです。恋人に短所を直してほしいと願うようなものだと思ってください。
新海誠作品は一通り観ています。前作の「君の名は。」は、ファンとして二度、映画館に足を運びました。が、やはり自分も、昔からのファンの多くが抱いたであろう、大衆向けだな、と感じた一人です。
今作も、キャラデザと音楽に同じメンバーを迎えての作品とあって、大衆向け感は否めませんでした。悪いというわけではないのですが、新海さんには、もっとチャレンジしてほしい、という期待があっただけに、残念に思う次第です。
さらに、脚本も、毎度のことといえばそうなのですが、「君の名は。」に負けないくらいの軽さと青さがあり、自分にはかなり甘く感じました。ラストの展開は好みなのですが、途中途中の軽い日常会話や甘いナレーションで、どうしても気持ちが引いてしまう自分がいました。
「言の葉の庭」は純文学的な印象があってよかったのですが、前作からは完全に十代向けのライトノベルといった感じで、どうにも受けつけにくくなってしまっています。
新海さんのやりたかったことが、前作と今作のようなテイストなら、自分が対象年齢から外れてしまったのだと、諦めるしかないのかもしれません。
背景画も、雨の表現などにややジブリ色が強まった感じがして、それもすこし寂しく思いました。
また、声に俳優を起用するのも、批判的に思わざるを得ません。これに関しては、「プロメア」という作品のレビューにも書いているので、ここでは控えます。ただ、ひとつ言うなら、人気声優さんをああして使うくらいなら、もっとちゃんと起用してほしかったです。キャラの名前には、ニヤリとしましたけどね。
総じて、
世間の評価的には、「君の名は。」と同じ感じになるのだろうな、といった印象です。
自分は、加糖よりも、微糖かブラックが好きです。
追記
今作のオチについて
作品のメイン(ではないかもですが最後の)テーマともいえる「個か全か」で、主人公たちがラストに「個」である陽菜を助けるという選択をしたことによって、その結果、都心部のほとんどが水没する、という内容には、批判的な声が多いようですね。しかし、自分としては、今回のオチは好きなほうでした。
別段、「全より個」を推奨しているわけではないのですが、人間社会を維持するために、自然に逆らい、人柱を立てる、という考えには、わりと反対です。
「世界ははじめから狂っていた」や「都心部のほとんどはもともと海だった」というセリフからも窺い知れるように、今回の水害は、陽菜のせいではなく、いわば自然現象であったのだとわかります。
陽菜はただ、それを食い止める力をたまたま手に入れてしまっただけなのでしょう。
人間のエゴのために陽菜を人柱にすればよかったか、と問われたら、すこしは批判の声も薄まるのではないでしょうか。
また、
最後の最後に帆高が言った、「それでも僕らが世界の形を変えた」といった発言も、ただの開き直りと捉えた方が多いようですが、自分としては、「その業を背負って生きていこう」という覚悟を意味したセリフだったのではないかと感じました。
もしこの見解が正しく、上記のような誤解が生まれてしまったのだとするなら、それは、声の演技か、演出の相違にあったのではないでしょうか。
私はすごく好きです
「君の名は」よりは現実的
元々実力派だったとはいえ新海誠監督の名前は「君の名は」により一層広まったと言えます、故に「天気の子」は前作と比べられやすくなると予想しますが結末は考えさせられる物がありました。
というのも「君の名は」は隕石で甚大な被害が出たものの主人公たちの努力の甲斐あって死者は出ませんでした、主人公とヒロインは離れ離れになりますが結果的には再度出会うことが出来ます、大多数がこれをハッピーエンドと見なすと思います。
一方「天気の子」はその世界の立場次第でハッピーエンドにもなりますし、バッドエンドにもなります。前作とは違い曖昧な終わり方ではありました。恐らくこれが賛否を呼ぶ原因かと思われます。
主人公やヒロインにとっては幸せな終わり方でも第三者にとっては迷惑な話だと思います、あえて白黒つけないことで視聴者の想像を広げているとも受け取れます。
映像は美しく鮮やかな様が映画の迫力を引き立たせ放映中に鳥肌が立ちました。ストーリーもまた恋愛の王道といえる流れでちょくちょくと挟んでくるギャグ要素にふふと笑いが込み上げて来ます。また「君の名は」と比べてしまいますが性的なギャグは前作よりは多かったです。しかし思春期であることを考慮すればこのぐらいがリアリティを出すのに丁度いいかと思われます。
そして登場人物ですが幼いほど夢見がち、大人になるほど現実的だという印象を受けました(終盤には主人公の思いに心を打たれ大人たちも協力しますが)どちらかといえば自分も大人の分類に入るので少年少女たちの行動には少し疑問を抱きました、とくに主人公の家出の理由が抽象的なのであそこまで抵抗するのは違和感があります。子供と大人の対比を明確にする為の意図があるかもしれませんがそれでも罪を平然と犯す様子は理解し難いです。
結論をいえば気になる点もありますが見て良かったと思える作品でした、私はまだ1度しか見ていないので何度も見て考えてを繰り返せば制作陣側のメッセージを汲み取れると思います。長文失礼しました。
突っ込みどころもあるけども。
あらかじめ、見もせずに低評価を入れている方がいるので
5点にしてます。個人的には4.5です。
色々突っ込みどころはあります。
帆高が陽菜を助ける場面、この段階では彼女の背景もわからず、水商売?の店員の言動やその前の行動から観客も彼女は嫌よりに迷っていると受け止めます。でも、助けてみれば合意があったような話になり、陽菜が酷いキレ方をします。ここはミスリードでは無くノイズに感じる。弟のために精一杯頑張る姉では無くて、情緒不安定なのかな?と感じてしまう。
その後晴れ女でお金を稼いでいるため、雨が止まないのはその代償なのかな?と。それがノイズになってしまい、彼らの身勝手で周りに迷惑をかけているのでは?との思いが引っかかってきます。
実際は陽菜が晴れ女になる前から雨は降っているので彼らのせいでは無いのですが、説明がないので陽菜が力を使う代償に巨大な雨の塊が降るのかな?とも。
つまり金稼ぎのせいで下手すればケガ人が出る巨大な雨が降っているのかな?と。何せ話が見えないからそう感じてしまう。これもノイズ。
帆高の家出の理由もふわっとしてますし、ヒナが弟と暮らさざるを得ない理由もよくわからず、圭介じゃないですが「帰ったら?」とも頭をよぎったり。
その圭介の最終盤の行動の揺らぎ。
異常気象で大混乱する街の割に子供らに執着する警察(まあ銃もって逃げてる想定でしょうけど)
リアリティよりもタイアップ感が満々な実名商品。
さすがに引っ越せよ東京都民。
え!おお!お前ら元気だったか?(嬉しかったけど)
などなど。
あの2人が再会した坂も水没しましたかね。タイムリープで何とかするのかな。
時間経過は3年というか、2年半かな。あれ、留年したのかなとこれもノイズになりました。
3年(4年?)雨が続いていればさすがに帆高や陽菜に事実確認して、国で雇った晴れ女に一年交代で行かせれば良いかなとか。帆高も行けたから特に資格なさそうですし。
とかね。
でも、
でもね、そんなことはどうでも良いのです。
帆高は世界に名だたる大都市東京では無くて、そこに暮らす幾万の人じゃなくて、陽菜を選んだ。それをきっぱり口にしたラストシーン、本当に素晴らしかった。
クライマックスにクライマックスがある作品でした。
彼らは世界なんて2人で背負う必要は無い。それが彼ら本位の選択であっても、あれで良い、良いんです。
きっとあの言葉を、2人の顔を、景色を見るためにもう一度劇場に行くと思います。
批判はあるでしょう。きっとたくさんあると思う。でも、
僕は君の名は。より好きです。キュッとなるステキな作品をありがとうございました。大切にします。声優さん、主演2人はすごく良かった。
クリエイターが安心して作品を作れる世界でありますように。
普通に面白かった
普通に面白かった。作画はもちろんのこと、ストーリーも素晴らしいし個人的には君の名はより面白いと思った。序盤の晴れる描写でグランドエスケープを使うと思いきやラストの空中のシーンで使うところにも素晴らしいと感じたし、ラストの展開は決してハッピーエンドでは無いけどそれまで他人に手を貸していた主人公達が自分達の為に生きるという風に生き方を変えたところもまた味があると思った。しかし、君の名はで評価が高かった序盤のスピード感が今作にも出ていたがスピード感が出過ぎていて須賀との出会いが薄かった気がする。他にも引っかかるところが多々あったが、物語自体は凄く面白かったので総合的には面白かったと思う。
前半は100点!! 後半は・・・・
上大岡で初回に観てきました!
前半に関しては映像美・登場人物・シチュエーション共に最高で、これから「天気を操る代償」がどんな展開を繰り広げて行くのだろうと想像して泣き、ワクワクしていましたが・・・
①屋上の鳥居の歴史
②鳥居とヒロインの縁
③鳥居と天空がつながる条件
④主人公が鳥居を利用できた理由
⑤瀧の祖母
これらがストーリーで説明されていないので、ご都合的な展開に見えて後半からトーンダウンしてしまいました。
他にも、てるてる坊主の着ぐるみを調達した資金や、尺を使った本田翼演じる夏美の存在理由、君の名は。以上に出しゃばるRADのなど、気になる点は盛り沢山。
それでも天空でヒロインを救う展開などあればまだ理解できるのですが、「天空を操った代償として存在を消されたのに、代償を放棄すれば下界に戻れる」というのはリスクが少なすぎて、
「愛する人が助かるなら世界がどうなってもいい」という、前半の最高な展開から予想した代償と釣り合わないのがラストまでずっと気になりました。
余談ですが、君の名は。で消息不明だった三葉のおばあちゃんを出すなら意味がありますが、登場していない瀧くんの祖母を出すくらいなら、同居していたお父さんを出した方が良かったように思います。
社会現象を引き起こしたアニメ映画監督の最新作
「突然の別れ」が欲しかった
君の名は。が大好きだった私がなぜこの映画に失望してしまったのかについて考えた。
私は新海誠作品の「突然訪れる別れ」みたいなものにいつも衝撃を与えられて、そこに心を動かされる部分があった。
例えば、「君の名は。」なら突然三葉と連絡がつかなくなってしまうのもそうだし、あの片割れ時に瀧と三葉が再開するも、ペンを握った瞬間に訪れる突然の別れみたいなのがものすごく好きだった。
でも今回の天気の子ではかなりヒロインはもう居なくなりますよ〜みたいなのが観客側として感じ取れるし、いろんな場面でヒロインの力が及ぼす代償みたいなものを匂わされてたために、「翌朝目覚めたらいなくなってる!え!!!!」みたいなのは全くない。「だろうね〜」って感じ。
そこが一番の、私が楽しめなかった要因だった。
それも含めて、おんなじようなの作ればいいってもんじゃないでしょ、、、。
新海誠さんの作りたいものってこれなの?
こんな同じようなのしか作れない印象はなかったけど、、、、
晴れ女の設定とか結末とかが全く説明されないまま、勢いだけで押し通そうとするのはいい。
ただ、その勢いも中途半端で、冷静に考える余裕があるから無理がありすぎて、意味が全く理解できないまま、結末に連れて行かれて大粒の涙流されても全く感情移入できない。
あと、下ネタで笑わせるみたいな場面が多すぎて辟易する。
そんなにおっぱい気になるかい、、、?
その十代の「私たちだけが知っている真実、世界」みたいなものは好きだし、魅力的だけれど、
今回のは主人公とヒロインが自分達の世界によがり過ぎてる。観客は置いていかれっぱなし。
ただ一つ、小栗旬はよかった。
若いってすごいね可能性だね
30手前のアラサーおばさんです。
仕事がしんどすぎて胃が荒れそうだったので息抜きがてら午前休を取って観賞してきました。
感想は単純…若いってすごいなあ…と。
十代の若者の勢いが眩しくて、自分は年を取ってしまったのだなと改めて感じました。
好きな人のためにただただ突っ走る主人公の姿は、十代の頃、世間体も何も考えず感情のまま生きていた自分を思い起こさせました。
どきどきしたりわくわくしたり、なんでもきらきらして楽しかった十代のあの頃に戻ったかのような疑似体験というのでしょうか。
君の名はと違って涙は出ませんでしたが、映像も音楽も最高に爽やかで美しく、ああ楽しかったし良かった!愛は素晴らしい!若いっていいな!雨最高!よっしゃ仕事頑張ろう!という気持ちにさせてくれる良い夏映画でした。
率直な感想です
観た感想をネタバレ含め書かせて頂きます。
これは全て個人的な見解です。それを理解した上でご覧ください。
■悪い点
1、キャラクター設定or説明が薄すぎる。
主人公や他のキャラクターの全てが薄い
例えば映画最初は、帆高が既に家出をしている状態から始まっています。何故家出をしてるのかを描いていなかったが為に行動に共感が出来なかった。
引き合いに出してしまいますが映画「バケモノの子」の主人公も家出という設定ですが、それはちゃんと経緯が描かれています。だからこそ後々の心情も理解でき共感できた。
陽菜も何故弟と二人暮らしに至ったのか、母親とのシーンを適当に描いた為に共感が出来ない。
夏美も圭介も全てが薄い。圭介が帆高は自分に似てると言いますが、自分に似てる要素がなんなのかを適当な表現すぎるが故分かりづらい。
結局最後まで謎の主人公とヒロイン達だったなと思いました…
分かりやすく言うと「帆高はこういう理由から家出をしている」という最低限必要な表現が欠けてる気がします。この映画は「帆高は家出してます」って感じです。こんな表現するくらいなら家出という設定自体要らないと思います。
映画の上映時間の都合上表現しきれないトコもあるかもしれないですがだったら君の名はの人物を登場させてる暇があるならそこに天気の子のキャラクター説明に力を入れて欲しかった。
2、謎の演出と謎行動
ヒロインが意味深なことを呟き風が発生し突然浮き上がるシーンがあるんですが、とうとう消えちゃうのか!?って思ったらただ浮き上がっただけでした。そして元の場所に着地し自らが天気の子であると説明します。「浮き上がるとこ、いる?」って思ってしまいました。他にも何度も主人公を取り逃がす警察、鳥居の謎、何故鳥居の力を帆高が使えたのか、圭介が謎の高速先回りをし警察をぶん殴ったり、そもそも陽菜が眠ってた場所はどこか。挙げ出したらきりがありません。想像するにはあまりにも想像しなきゃいけない場面が多すぎる…
3、連れ戻してロウエンドから最後の前作と同じ再会
君の名はの場合、問題を最終的に解決し元の生活に戻ってから数年後日常で奇跡に似た再会をするという感動的な話でした。
しかし今回は、最終的に陽菜を人柱から連れ戻したせいで東京を水没させキャッチコピーの通り世界の形を変える。ここまではまだ良いです。しかしこの後「世界はもともとこういう形だったんだ」と悪く言えば言い訳の様な話をした?作った?後、この三年の時を得て帆高と陽菜が再会という煮え切らない終わり方をしてしまいました…しかも数年後再会という前作と同じ流れ
4、前作のキャラクター達の登場
題名通り、君の名はの人物が登場します。
個人的には嬉しかったですが、でもそれは元が良くなければ意味がありません。今回は天気の子という映画なのだからそっちの心象や説明描写をちゃんと描いて欲しかった。説明出来た上でサービスとして出すならまだしも出来てない状態で出されてもって感じです…
まだまだ言いたいことはありますが、ボロクソ言いたいわけではないのでこれぐらいにしておきます。
■良い点
1、映像美
今回は天気というだけあって、雨の描写が主になりますが、とても綺麗です。やはり新海誠。空も綿密に描かれています。
2、帆高と陽菜のホテルでのシーン
異常な雨や雪が続き、「帆高は、雨止んで欲しい?」と尋ねる陽菜に、帆高はつい「え?うん」と答えてしまう。
自分が人柱になればこの雨は止むことを知っている陽菜には何気ないその返答を重く感じてしまう。そこからの帆高と陽菜の感情の高ぶりがとても惹きこまれた…俳優の演技は自然が売りですが、人間の心の動きが感じられた良い意味での俳優らしくない演技と感動的なシーンでした。
3、本田翼
公開前にあれほどディスられた本田翼の演技、正直そこまで気になりませんでした。ただし問題のシーンは最早周知の事実なのか会場で笑いが起きてましたが…
★総評
頭を空っぽにして純粋に見るんであれば楽しめると思います。しかし、「何故こういう気持ちになるんだ?」とか「今のシーンどういうこと?」とか思ってしまったら最後、度重なるクエッションで映画の進行に追い付けなくなります。
映画の本質や深く観る人は大抵理由を知りたがるんです。意味深なシーンや行動を目にしたら「あれは何だ?何をしてる?どうしてそうなった?」と知りたがると思います。
それを全て伝えることは難しいし容易ではない、視聴者に委ねる事もある。しかしこの映画はあまりにもそれを伝えてないように感じます。
映像美、それだけで観に行く価値はあるんじゃないかと思います。ですが私の場合、ストーリー重きで観るので損した気分ではあります。
今回は天気の子という設定自体は素晴らしいものでありながらそれを活かしきれていなかったために残念です。
まとめますと、
ストーリーの濃さよりもただただ映像が綺麗な映画が好きな人や、好きに自分で想像し、自分の物語を構築したい人には 良い映画として観れると思います。
今回低評価の人の大部分は、新海誠の物語を期待していたのだと思います。
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