天気の子のレビュー・感想・評価
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賛否あるが、観る価値はある
総じて面白かったです。
新海作品は『君の名は。』『言の葉の庭』『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』は見たことあります。今回は大衆向けとしては2作目(?)だと思いますが、より新海さんの作家性が強い作品になったと思います。
異論なく面白いと思われるのは、登場人物同士の掛け合いです。クスッと笑える会話が随所にあります。基本的に雨のシーンばかりですが、会話がうまくメリハリを作っていました。また、やはり映像が綺麗です。雨の描写ももちろんですが、個人的には花火のシーンが圧巻です。
どうしても前作『君の名は。』と比較してしまいますが、テーマや種明かしは全く別ですので、この作品独自の面白さが十分にあります。しかし、構成はどことなく『君の名は。』に似た部分を感じました。
種明かしや人物背景については、説明は少なめな印象でした。けれど、説明チックになってもいけないと思うので、これはこれでいいと思います。ただし、主人公の家出の原因はもう少し明確であっても良かったと思いました。
映画後半の主人公たちの行動は、観る人の価値観によって考え方が別れると思います。善悪で物事を判断するべきなのか、自らの「思い」に従うべきなのか。
現実に生きる中で、個人は常に周囲と関わっています。行動を一歩間違えれば、周囲に迷惑をかけることもある。そうした中で、自分を殺さなきゃいけないところを少しずつ覚えながら、大人になっていく。この映画に出てくる大人は、そうした人間として描写されています。ただし、この映画はそのような大人を否定も肯定もしません。主人公の選択についても、映画らしいラストの演出ではあるものの、手放しで称賛するわけではありません。
バカでくだらない選択と言ってしまえばそれまでですが、気高い行いと褒め称える人もいるでしょう。
その人の「生き方」や「理想」が映画の感想に反映される、巧妙に作られた作品でした。
少し気がかりだったのは、『君の名は。』『天気の子』に続く作品があるならば、その作品も同じような構成だと流石に三番煎じと言われかねないということです。ジブリや細田守作品のように、次回作では作品の「幅」をぜひ見せていただきたいです。
新海監督による手の込んだRADWIMPSのMV
ストーリーは他の方のレビューにもある通り、悪くいえば薄っぺらい、よく言えば考察のし甲斐がある、みたいな感じでしょうか……。
それより気になったのが各見せ場見せ場で流れるRADWIMPS及びRADWIMPS feat.の音楽……。
言いたいことを歌で全部語っちゃうってどうなんですかね……。それが手法だと言われればそれまでなんですが、
1回ならまだしも、何回も何回も歌歌歌……
RADWIMPSのMVかと思えば耐えられないことは無いですがちょっと食傷気味になります。
君の名は。で味を占めちゃったんかなぁ……と思いながら、監督も「もっと批判されるものを作ろう」ということなので、批判あってしかるべしなのかもしれませんが……。
声優さんたちは、メイン格にいま流行りの俳優さんたちの起用もありましたが、割とよかった気がします。特に本田翼さん、そこまで作品の雰囲気を壊すことも無く……ハマり役だったのかな?と……。
逆に私は小栗さんの演技が受け付けなくて彼が喋る度にぷつぷつと集中が切れました……。
周りの声優さん達がいいだけに、別の声優さんならな……と思わざるを得なかったのはちょっと残念だったかと……。
ストーリー★3
美術・背景作画★5
声優陣の満足度と終わった時のモヤッと感で−★1
トータル★3ぐらいかなー……と思います🙋
前作の君の名は。を真剣に見てないので比較ができないので単品での絶対評価です。悪しからずご了承ください。
新海監督の作品で一番胸に響いた作品になりました
大ヒット作の前作「君の名は」ギュッと締め付けられるものさありましたが涙するまではなりませんでしたが、この作品は自然と涙が溢れてきてしまいました
少年少女が持ち合わせる純粋さ、そこから滲み出る屈託のない笑顔にとても惹かれました そして純粋だからこそ感じる社会への理不尽さに抗う姿がとても自然に表現されていると思います (その状況下も自然な形で物語のシーンに組み込まれている)
PVの世界を変えてしまった
あぁこういう事なのか…
作品の中で観せる映像美は更にスケールアップし、使われる音楽もシーンに溶け込むように自然で作品として素晴らしい一体感を生み出してると感じました
文字だけがスクロールするエンドロールで涙したのは初めての経験でした
流れてくる音楽から作品の見せてくれ物語と結末が思い返される
偏見なく真っ直ぐ見ることが出来たらとても素敵なお話だと感じる事が出来ると思います
最後に直ぐにリピートしたくなりました。
リピートしたので加筆します
少年の頃に感じていた社会への理不尽さや
神は細部に宿る?
物語自体は、男女の関係性が大問題に直結する、いわゆる「セカイ系」です。私は、観賞後明るい気持ちで映画館を後にすることが出来ました。(公共の秩序と個人の尊重のどちらに共鳴するかで意見が分かれると思います。主人公は個人の尊重(愛情)を貫いたことにより東京の低地は水没しますが、人々はお構いなく逞しく生きているのですな。)
前半、日本では家族や組織に属さない人間が生きていくのは大変(就職、宿泊、食事等)だなと改めて感じました。このあたり「蛍の墓」を少し思い出しました。主人公と姉弟が一般のホテルに宿泊を断られ続けているシーンでは「俺ならラブホテルにトライするがなー」と思っていたら、主人公もその手を使ったのには笑いました。大きなお風呂・ベッドやカラオケのシーンに懐かしい思い出が蘇りました。
主人公が拾ったマカロフは、暴力団からの押収が多いロシア製拳銃ですね。良く調べているなと思いました。
ファンタジーと日常のリアルが上手く融合している所は、「君の名は。」と同レベルにあると思います。
ただリアル部分でよくわからなかったのが、3年雨が降り続く間に東京が徐々に水没した、という所です。(江戸時代より埋め立てで陸地が増えたものなので、海面上昇か、陸地沈降又は地盤沈下しないと水没しないでしょう?)
ファンタジーとリアルの融合においてリアル部分に?が生じるとその分作品の勢いが削がれると感じました。
風景や物の描写における光の使い方、構図、色彩は最早「新海ブランド」と呼べるもので、その美しい画を観るだけでも感動を覚えます。
アニメは高品質、ストーリーは普通
新海誠監督作品「天気の子」を観てきました。
作画や音楽は、飛び抜けて良かったですが、ストーリーは普通で感動が弱かったです。
アニメの特性や持ち前の映像美を作品のメインテーマに活かせてるのは素晴らしかったです。
音楽も良かったですが、アレです。
新海誠監督ファンなら劇場で観るのも良いと思います。
少なくとも受験生は見るな
この映画はざっくり言うと主人公たちがすすけた大人たちと運命に抵抗する物語です。
しかし、受験生には向いてません。というのも、正直大人たちの方がめちゃくちゃ間違っているようにはあまり思えない中途半端な感じで、主人公たちの方がエゴで現実逃避してわがままを言っているようにも見えるからです。というかそう見えやすいです。そう見えてしまうと、上映中は全く楽しめません。本当に楽しめません。終わったあとに振り返ってみてようやく良かったかなと思え始めました。なんなら僕は見方を変えた上でもう一回見ないと感動できません。
ただ、残念なことに現実に向き合ってる受験生がこの見方をしてしまうのは正直不可避です。そうなったら楽しめません。もういっそのことあらかじめネタバレをくらってからみる方がいいまであります。じゃないと初見は見方失敗します。もし見るなら気を付けてください。
当然受験生以外にも当てはまります。
伏線が残念
伏線を探しながら見ると悪い意味で予想を裏切られる。
大まかなストーリーはオープニングから数分で出てくる明らかな伏線のせいで予想がついてしまい、多少の差異はあれど実際その通りにストーリーの結末を迎える。
起承転結の起の時点で転が予想出来て結もその転ならこういう結だなって分かってしまう。それをひっくり返す大きな転もない。
君の名は。は起承転転転転結くらい話が展開されるから予想も出来ず見ててワクワクした。
分かりきったストーリーを楽しめる人になら面白いかも。
正直、「君の名は。」より好き
君の名は。はもちろん素晴らしい作品であったのだが、2人が出会って終わるというオチが読めた。
しかし、この作品は最後の最後までどう終わるのか分からずドキドキハラハラでとても良かった。
新海誠のオ〇ニー映画
うっすい。ストーリーがつまらない。
あのタイトルどーんって出すところ気に入ったのかな?
背景やうるさい音楽にばかり時間使ってキャラ全然しゃべらへんやん。
小学生の脇役とかにプロの声優使ってるからか、違和感すごい。
決定的だったのは、君の名は。の主人公とヒロインを出したこと。
その時完全に、あ、これ新海誠の自己満足映画だ。って思った。
細かい(どうでもいい)ところに力入れて内容ぺらっぺら。ダイジェスト感やっべぇ。
でもファンの人はこだわりぬいた風景や水の描写などに心奪われるんだろうね。新海さんのドヤ顔が目に浮かぶわ。
次は秒速みたいに心が抉られるような切ないストーリーか君の名はみたいな面白い映画を作ってくれることを期待しています。
現代版ジブリ映画
題とは全く関係ないですが
君の名は と 天気の子 の差は主人公に感情移入出来るかだと思いました。君の名は は隕石など突拍子の無い話だが主人公達自体は普通の高校生で馴染みやすかった。しかし天気の子 では主人公は島から家出して知り合ったばかりの大人の事務所に住み込み、ヒロインは弟と二人暮らし。特殊過ぎて話自体は感動したが最後までズレてる感が凄かったです。
頑張った
前作の君の名はから3年、監督に掛かる期待も凄かっただろうなと昔ながらのファンとしてはまずはお疲れ様でしたっと言いたい。
だけど今回の映画
新海誠ファンとしては60点
映画好きとしては70点と言わせてもらいます。
ついでに君の名はで85点です
この差は何なのか映画を見てから考えました
まず俺の中では前作での良かったキャラが二人います。
三葉の祖母と瀧のバイト先の奥寺先輩
三葉の祖母による村の風習やその他のウラを匂わせる語りによって三葉の現状や物語の核が見える事がストーリーの進行に
違和感なく聞けたのですが今回、その辺が曖昧であからさまな年寄りの配置と語りが違和感に思えました。
奥寺先輩は瀧の憧れで密かに思う女性だったのが三葉により変わっていきいつのまにかその想いが変わって行ったっという
心的な印象を与えていましたっが今回、それに似たキャラはいたが賑やかに担当ってだけで主人公とヒロインの惹かれ合う
話の薄さになってしまったのではないかなっと感じてしまいました。
それから新海誠っとして一個人の感想ですが、景色が足りなかった
相変わらずの風景画は素晴らしかったのですが、今回の雨のシーンの多様の所為かは分かりませんが監督の得意な風景の多様
物語が進むに対しての移り変わりが小さかった気がしてしまって自分にとって物足りないっと感じたんだと思います。
これだったら言の葉の庭の方が良かったと言えるのではないかっと
あとこれは個人的な願望になってしまいますが、前作の瀧や三葉を出すのならば作品のその後を少し匂わせて欲しかった
君の名はで最後に二人が出会えたのであれば少しでもいい、二人が一緒にいるシーンを見たかったっと
他にもテッシーやさやちん、四葉もいたらしいのですが分かりませんでした。
小説を読んでそれのリベンジに観に行こうかなっと思います。
いいオトナが観るもんじゃなかった
結局のところ
世界がどうなろうとキミが大切、キミが好きという話。
リアルとファンタジーが極端過ぎて
どこに身を置いて観たらいいのかよく判らなかった。
キミとボクの問題がセカイに直結。
いいオトナが観るもんじゃないし、
いいオトナが作るもんじゃない。
便乗して商売にしているいいオトナたちのいいカモです。
三池ジョジョでも、ライダー映画でも
そんなことは気にならないのに、
この人の作品はどうしてもそういう部分が気になる。
エロゲーの想像力の範囲を超えないというか、
童貞の気持ちの悪い妄想をぶちまけられた感じというか。
というのはオッサンの感想。
若い子は、そこまでゾッコンになれる相手を見つけ、
どうか大切にしてください。
相変わらず絵は綺麗です。
君の名は。より観ていられました。
嫌いじゃないけど。。。
昔から新海誠の作品には触れていて、
たまたま蔦屋でなんだこれ?って手に取った秒速5センチメートルが始まりでした。
それから見ていて、なんというか、映像のクオリティが上がるにつれてどうも内容に薄味感を覚えています。
私としては言の葉の庭のように40分そこらであそこまで引き込める作品を作りあげたのに
どうしたん今回?君の名はのスピンオフかよってのが感想です。前作の主人公たちが所々に登場していて、メインどころに何度も出ちゃいます笑
作品が好きな人たちからしたらご褒美みたいなもんですが、
どうなんだろうか?
君の名はのようにちょっとだけの出演のがよかったんじゃね?って思ってしまいました。
作品自体の題材も、声優陣の迫真の演技も私は大好きですが、
ほんとにうっすいお茶のような後味が残りにくく、おいしかった?と聞かれても、まずかないけどほぼ水やで?ってなってます。
特に主人公はなぜ家出したの?
親と喧嘩?傷だらけじゃんなんでなんだろ?とか、
え?ヒロインの弟かっこよすぎじゃね?でもやっぱ小学生ぽいなぁ、つーか主人公といつ仲良くなったんや?
描写が足りない部分が多かった。
いや、多分だけど恐らくだけど、
そこをどう解釈するかは人それぞれでいいからそういう作りにしてるんだろうけど、
なんとも、期待外れというか、伏線やないんかい!って、弟くん最初主人公を邪険にしとるやんか?え?ワンカットすぎたら仲良くなってんのかい!依頼は翌日だったんじゃないんかーい!ってツッコミしか入れられない。
まぁ、映像そのもののクオリティは抜群によかったので1000〜1800とドリンク代払って、
120分綺麗なものを見に行くって考えればまぁ癒しの時間かなーって感じですね。
よかった点もありますよ!
内容が薄口な分RADの愛にできることはまだあるかいな歌詞を聴きながらああ、こういうことだったんか?とか考えられましたし、
こうなんというかエンディング曲がまさかの補足説明のような印象でした。
まぁ面白いは面白かったからまたいつか見たいですね。
君の名は。よりも世界観に工夫がある作品
凄い良かったですよ、天気の子!
少し考えながら見ないと伏線が分からなかったりしますけど、大丈夫。普通に面白いです。
ここから長文になります。
ネタバレ無しで書きました、興味あれば見てください。
まず、この作品はキャラの心情を全体を通して天気(背景)で上手く描いている作品になってました。
元々、新海監督の作品は雨の描写が多く、本当に細かく繊細に描くことでキャラの心情を現してました。
そして今回はその作風を全力で活かして描くことによって、キャラの良さやストーリーへの印象を強くし、終始見てて飽きることがない作風だったと私は思いました。
更に今回は舞台が東京だったこともあり、見たことがある場所をキャラが通ることで興奮しましたし、それにより作品に対しての没入感は凄い高かった気がします。
そして、ラストには現代社会を舞台にしてるにも関わらず思いきったエンディングになっていて、ある意味最後を受け入れられるかで評価も変わってくるかもしれないです。
ただ、ストーリーとしては悪くなく、むしろ流れとしては当然こうなるよなっていうラストではあります。
しかし、このラストを受け入れられるかで評価もだいぶ変わるとは思うので皆さんには是非とも劇場で見てほしいです。
長文になってしまい申し訳ありませんが、最後に改めて個人的な感想をもう一度言うなら『君の名は。』より私は面白くて好きです。
これぐらい尖ってる内容の方がアニメーションって感じもしますしね!
是非とも興味あれば行って下さい、後悔はないですよ!
クソ甘えと誰かが呟いた。
少年が彼女を救い出したために東京が水没してしまった。
と思い込んでいるカップルの話。
いわゆるセカイ系。
なのは良いとして、
3年間も雨が降り続いたら食糧危機になるし電力は止まるし
政府も経済も崩壊するでしょう。
そのあたりをきっちり描かないのはラストを重くしないための配慮なのでしょうが
そのために全体の薄っぺらさが透けて見えました。
人物像がしっかり描かれていないのも気になってきます。
彼女の役割が
天気どころではなくて世界の崩壊につながる話だったとしても
二人は自責の念にかられないのだろうか?
笑って再会を喜び合えるなんて有り得ない。と思います。
重さを取り払ったためにリアリティも軽くなってしまった。
出口で「クソ甘え」と呟く男の声が
この映画の全てを語っていると思いました。
全体的に受け付けなかった
主人公サイドの言動が全てにおいてエゴで受け入れられなかった。
全体的に低俗で、「君の名は」とは対極にある世界観だった。
見ていて辛かった。
あの二人をこの世界に出して欲しくはなかった。普通の世界に生きて欲しかった。
悲しくなりました。
『君の名は。』よりもシリアスです。
本来、映画のレビューというものをあまり書いたことのない自分が、こうして映画鑑賞直後に文章を打っていることをふと自覚した。
この映画は新海誠がメディアに向かって語るように「賛否両論」を巻き起こす結末を迎える。ここから先の文章はネタバレ全開で書いていくため、まだ観ていない方は控えてほしい。唯一、声を大にして伝えたいことは、お金を払って劇場に足を運ぶ価値がこの作品には十分あるということだろう。
さて、ここからいよいよ、本作の結末について触れていきたい。
冒頭の『ライ麦畑でつかまえて』(村上春樹訳)のメタファーが開示されたことにより、主人公の内証(心理描写)と、表層的なセカイが連結していることは、すでに示されている。陰鬱な空の背景、冒頭から鳴り響く心電図。その深刻な描写のひとつひとつが、この映画に潜むシリアスをドライブさせていることは、すでに映画を観た方なら解るだろう。
この映画の山場は間違いなく、主人公の帆高が陽菜に会いたい一心で警察を振り切り、制止するひとたちに向けて銃を突きつける場面だ。
ひとりの人間の抱え込む愛情が世界そのものを変えてしまう。
『君の名は。』ですでに示した主題の、その先を描いた帆高の姿は、ホールデン(ライ麦の主人公)のように、愛情を抱え込んだまま周りを巻き込み、暴走する。自らの会いたいという気持ちが先行し、東京に未曾有の水害をもたらす起因を生じさせてしまうのだ。
これが長年、近代文学によって追求されている【エゴイズム】でなければ、私たちは帆高の抱えた愛情を、いったいなんて、どう、表現したらいいのだろう?
世界は変わってしまった。
しかし、二人は再会できた。
ああよかった、と。
そう思えるだけの作品なのではない。ハッピーエンドではないビターエンド。そうジャンルで括ってしまえば簡単なのだけど、時にエゴイズムが世界そのものを破綻させてしまう危惧を、私は感じずにはいられなかった。
私たちだけがハッピーエンドであれば、
本当にそれでいいのだろうか?
帆高と陽菜の再会のシーン。
その背景には退廃した世界が
拡がっている。
愛によって破綻した世界、
それはたしかに美しさを孕んでいる。
しかし、そういった破綻した世界の果てに生活を営むひとたちがいることを、私たちは忘れてはならない。瀧のお婆ちゃんがその例であり、前の家で生活できなくなった彼女は、アパートへと引越しを終えている。「晴らしてほしい」そうお天気お姉さんに依頼をしたのにも関わらず、彼女が口にした印象的な台詞を忘れないだろう。
「結局、元に戻っただけ」なのだ、と。
破綻や理不尽へ遭遇した時、ひとが折り合いをつける理由は、最終的に、こういう台詞に辿りつくのかもしれない。元に戻ったのだから、仕方がない。と。
世界は廃れてしまった。
でも二人は再会できた。
愛ってすごい。
世界を破滅させても実る恋って、
なんだか素敵じゃない。
そんな安っぽいエゴイズムの肯定に
この秀作が利用されないことを、
ただただ、願うばかりである。
【追記】
この物語における「銃」の存在が不要だというレビューを見かけるが、私はこの「銃」こそが、この物語の最も重要なアイテムであり、『君の名は。』から脱却しようとしている新海誠のクリエイターとしての意思を感じるのだ。
ただ陽菜を助けるだけではない。
須賀さんや警察に銃を向けてまで。
つまり殺すという手段を取ってまで。
「陽菜に会いたい」という一心でそこまで動く帆高は不安定だ。この凶暴性を含む愛情がトリガーとなり、陽菜は救出されたものの、東京は未曾有の水害に巻き込まれるのだ。
たったひとりの少年の愛情が、世界そのものを腐らせてしまう。その結末を銃というアイテムが暗示しているのは事実だ。
実際、帆高が銃を突きつけた瞬間に「愛にできることはまだあるかい(movie edit)」が流れるのだから、このシーンにスポット当てている新海誠の意思は明白である。
そして、
このあまりにも不安定な愛情を、
「帆高のひたむきな姿勢が良かった」
「まっすぐな気持ちが良かった」
などと、
【美化された愛情】としてしか
受け取れられないのであれば。
あなたも帆高と同じように
一つの感情を先行させて
世界を破綻させる可能性は
十分にありえる。
そういうアイロニカルな話だと思うのだ。
公開初日で観てきました
初日とあって劇場も混雑してました。
映像は文句無しにとても綺麗で、その美しさにはどんどん引き込まれていきました。
声優の方もみな自然な感じで聞き取りやすかった。
平泉成さんの声はやはり刑事にピッタリです笑
レビューの評価は気にしないで自分の目で観てこの作品を判断して下さいね。
感動した!!
すごく面白かったですし感動しました!!
もうなんか語彙力失ってます!!よしなまみたいになってます!!
でも正直最初のヒナが水商売をしようとしてた展開にはビックリしました。そういうのはないかと思ってたんで...
その後水商売に引き込もうとした男が家族といるシーンも胸糞でした。
でもそれだけで本田翼の演技も良かったですし、最後のグランドエスケープでは鳥肌が立ち過ぎて体が痛いくらい感動しました!!
あと5回は見たい!!IMAXで見るのもオススメです!!
拳銃必要あるの?
全く予備知識無しで鑑賞しました。
「君の名は」は感動し映画館で6回観て毎回同じシーンで泣いていました。
今回も感動と泣きを期待しちゃってて…
前半はコミカルな感じもあり、後半は泣き所もあったと思います。
しかし…主人公の帆高が警察に逮捕され、陽菜を空に助けに行こうと警察署から逃亡し、夏美とバイクでパトカーと人の迷惑を考えずカーチェイス。
廃墟では圭介に向かって発砲し、刑事相手に拳銃を構えて威嚇する始末。
結局、逃亡に加担した圭介と夏美は逮捕。
兎に角、自分勝手な行動ばかりで観ててムカムカしました。
そもそも今回のストーリーに拳銃必要ないでしょ?
特に重要な役割がある訳じゃないし。
前半に拳銃発砲して警察にマークされ警察とゴタゴタ。
もっと違うストーリーにしたら良かったんじゃないかなぁ?
何か勿体ない気がしました。
最後も、もうひとひねりが欲しかった…
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