天気の子のレビュー・感想・評価
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賛否以前の問題
監督が「賛否が分かれる」と話していたのは「自分たちのために他の何かを犠牲にしたけど、それでもこの愛に生きる」的な部分なのでしょうか?
はっきり言ってそんなのどうでもいいほど、描かれる全ての要素が甘いです。薄いです。
須賀さんとなつみさん以外の登場人物に何の魅力もありません。「四葉よもう一度」ということで凪を出したのかもしれませんが、残念ながら何のスパイスにもなっていません。彼を出すくらいなら帆高と陽菜の二人きりの逃避行にした方が良いです。
陽菜はともかく、帆高が鳥居くぐっただけで、ひょいと陽菜のもとに行けてしまう安直な救出劇(あっという間に解決)。愛を描くのにこの方法しかなかったのでしょうか。
むしろ天気の話などなく、偶然見つけた拳銃、須賀・なつみとの仕事や暮らし、家出少年とみなしご女子の恋愛、に絞った方がよほどよかった。
神がかった天気の話(それも薄い)をぶち込んで大作風にするより、小品でもぐっとくる作品にできたでしょう。拳銃をめぐるトラブルにもっとフォーカスした方がよほど少年の暴走感を感じられたのではないかと。
君の名は。の方が一本筋が通っていましたね。
伝えたいメッセージにこそ賛否がわかれると思う
※文章を書くのが下手で読みづらいと思います、すみません。
5段階評価で言えば、映像は4.5、脚本は3.0でした。
私が感じたメッセージは、
「人柱とならずみんなが迷惑を被っても、君は自分のしたいことをして世界を変えてしまっても良い」です。
今回の作品は「君の名は」と比較しなかったとしても、脚本が盛り上がりに欠けた気がします。どうなってしまうんだろうが足りず、思った通り話が進むように感じました。10代くらいの若い子ならそのベタさを感じずもう少し楽しめるかもしれません。
「君の名は」の手のひらの「好きだ」のような素敵な場面を期待していましたが、それも細部にはあるかもしれませんが、みんなの印象は人によりばらけてしまうと思います。
映像、特に雨の描写はすばらしく、水滴はずっと見ていられるくらい美しかった。
映像美だけでも次回作に期待しています。
ベタな作品であれば、ヒロインが犠牲になりみんなも救う、そして、主人公がヒロインを助けます。
「みんなの犠牲になり世界を救う」が前提となっていると思いますが、この映画はその考えに一石を投じるメッセージを感じます。
今の人、特に若い子は、みんなの幸せを大切にする素晴らしい協調性とコミュニケーション能力があると思います。
ただ、みんなの犠牲(人柱)となってみんながこれまで通りの幸せを受け続ける世界を維持することだけが本当に大切な事なのだろうか。
みんなに迷惑をかけても自分が自分の為だけに幸せを得ることはダメなことなのだろうか。
自分が犠牲にならず、今までどおりの世界を変えてしまってはダメなのか。
みんなにとって今よりも悪い世界になったとしても、人はそれなりに強く生きていくんだから、君の思うように生きて欲しいと言うメッセージなんだと私は思いました。
人によっては、人に迷惑をかけて我を通すのはどうなんだと感じる人もいると思います、そういう意味で賛否両論と新海監督は言ったのかなと感じました。
私は新海監督のメッセージに共感します。
(ネタバレなし)君の名は。を越えてきた
細田守が「時をかける少女」や「サマーウォーズ」を作った後から「未来のミライ」までを振り返り、
(ディスってるわけではないのだが)新海監督はどんなふうになるのだろうと、楽しみでもありつつ心配だった。
が、期待を大きく上回り、人によっては「君の名は。」を越えてきたんじゃないだろうか。
監督が
「批判されるものを作った」
と言っていたのは予防線でもなんでもなく、見たあとにこそその意味がわかる。
昔からのファンからはわかるだろうが、「君の名は。」は一般向けする。が「天気の子」は一般向けの中でも人を選ぶと思う。
昔の監督が今作は見え隠れしていた。
売れてからの期待大の2作目で予想を大きく越えてきた。
「君の名は。」と同様、唯一無二の作品を作った監督に感謝したい。
あぁ、10代の子にはもっと刺さるんだろうなぁ。
10代のうちに見たかったなぁ。
これを楽しめない人はきっともう少年少女の心を忘れ、社会に埋もれてしまった大人たちだろう。
それも、今現在不幸せな大人たちだろう。
長々書いたが、なんでもいいから見て。
君の名はの流れを汲んだ新海作品
新海作品の主人公は映画序盤では、なよなよしていたりたどたどしさが目立ちます。中盤~終盤にかけて世界の何かを変えてしまうことでも完遂してしまう行動力を発揮して現実離れした事の連続で助けてしまうんですよね。で、結局助け出したヒロインとは長続きせず結局別れてしまったりと世界を変えたかと思えばいきなり現実感があるラストが来る。
『Rain』『君の名は』以前はこのパターンがありラストの影響で私は大人目線の映画 or 小説だなと感じておりました。
また、映画としてヒロインと世界の美しさを感じる場面に時間を割く一方で掘り下げが少なく、主人公や周囲のキャラクターの行動に疑問を抱く場面もあります。
『天気の子』では君の名はの流れを汲み序盤~中盤にかけてRADWIMPSの音楽に乗せて家出少年の東京での生活やヒロインとの時間を軽快に演出しています。『雨』が一つのテーマであるため基本的には雨が降っていますが、ヒロインの能力である『ハレ女』による陰と陽の切り替えが気分を高揚させてくれます
時折いやな予感を覚えさせるシーンを出されて「新海ぶれないでくれよ」とひやひやさせられたのは私だけでしょうか・・。
中盤からは新海節の炸裂により世界観の謎の力により、ヒロインはピーチのように攫われ?、主人公は愛に芽生え謎の行動力によりヒロインを救うため行動します。
『君の名は。』では、ヒロインと世界を救い両立している点から手放しで応援できる形に対して『天気の子』ではヒロインを助けるときの時のクリボーやクッパが警察であり、傍から見ると明らかに主人公やその周囲に非がある点でしょうか。主人公、ヒロインの行動原理に疑問符が出てくることがあります。さらに、ヒロインと引き換えに東京が雨で水没してしまうため世界よりヒロインを取った形になります。展開として以前の新海節が出てくるため賛否両論がある形です。
終盤に主人公が世界を犠牲にしたことに対して悩む場面があります。一緒に見に行った友人は雨ぐらいで悩むな。との感想でしたが作中では語られませんが、東京の交通網が麻痺することで病院などで死者が出るといったことが連日ニュースになったことは想像に難くありません。その後の状況や主人公の家出の原因やヒロインの生活などかなり重そうな話は結局は語られないため情報不足と感じます。
一方で私は回想はテンポを欠いてしまうためあまり好きではありません。映画としてみた際に世界観に没頭できないなってしまいます。そういう情報は原作小説などで新しい発見として楽しみたいのも理由の一つですが・・。
いろいろ書いてしまいましたが、ヒロインとの逃避行や非日常感が非常によく描写されており、何度か見たくなるシーンが多いですね。グランドエスケープが流れた瞬間の透明感が個人的に好きなシーンでした。大人目線で見ると上記の部分が確実に目についてしまうため、新海作品はある程度割り切って世界に入りこまないといけない作品だと思います。
君の名はの後作品であり、重圧があったと思いますがよくできた映画だと思います。映像はきれいの一言です。ぜひ劇場で雨の音に浸りながら世界に没頭してみてください。
気分がいい!
バットエンドは勘違い
天気というのは天の気分陽菜は晴れにさせることができる人材だが、陽菜が人柱にならないと晴れないというわけではない。
東京があんなに世紀末に書かれているのはほんとうに東京が世紀末だから。
君の名は。より楽しめました。
個人的には、君の名は。より楽しめました。
確かに導入部の陽菜としっかりと出会うまでが長く、どこから物語が動き出すんだろう?と不安に思ったりもしましたが、そこを超えたらあとはあれよあれよという間に話が進みだし、最後まで一気に楽しめました。
帆高の家出の原因がなぜ描かれないのか~を含めて、なぜ、監督があえてこの様な作り方をしたかと言う事は、パンフレットの監督の話を読めばある程度解消出来ると思いますので、機会があれば是非一読してみてください。出ている幾つかの批判的な意見は、監督の想定内であって、それでも、あえてこの様な作り方をしたと言う事が良く判ります(私は判った…気がしました)。
ただ、一点、どなたかが、須賀の奥さんの事について推理していたのですが、自分も「なるほど」と思い、その解答を求めて、あるいはと言う思いもあり監督の話を読んだのですが、ちょっと逆にとれる書き方がされていて、「?」となりました。だけど、須賀の奥さんに関しては、そのどなたかの推理の通りと考えて、そのあたり、代々受け継がれている~的な解釈の方が、何処か『君の名は。』にも似て、作品の共通点としてもしっくりくるのかなぁと思ったりしました。私自身は、初見では、単純にストレートで良かったなぁくらいにしか思えず、他の方々のレビューを見て、色々な伏線があることに気づいた程度に表面しか見てなかったので、今度またいろいろと情報を仕入れてからもう一度見てみたいと思いました。
何にしろ、久しぶりに公開が待ち遠しくワクワクした思いで見に行った映画でした。監督を初め作品作りに関わった皆様お疲れ様でした。次回も楽しみにしています。
個人的には面白かったが、賛否は別れる作品
東京が世紀末過ぎて草
新海作品は死んだ
2時間ずっと幸せでした
色々と疑問が生まれる映画でした。
どうしてあそこに拳銃があったのか、そして誰の拳銃なのか?晴れ女が人柱になるのはなんで?主人公が島から出てきた理由が晴れを追いかけて来たってのは強引すぎないか?児童保護施設に行って離れ離れになる理屈が分からない、それなりの措置はしてくれるのでは?3年雨が降り続いてたら世界はもう少し退廃しているのではないか?そもそも地球の水分は循環しているのであって、雨が3年降り続くなどあり得ない、など枚挙に暇がありません。
しかし、上記の疑問は本作における映画体験を一切阻害しません。この映画を見ている間、私はずっと幸せで、まばたきをするのさえ惜しいと思いました。耳と目の感覚がすべて持っていかれる映画に出会えたのは初めての経験でした。
愛を取るか世界を取るか
構成が君の名はに似ている部分もあり、中盤までのある程度は話が読めてしまう部分はマイナスだと思う。ただ、音楽との組み合わせは前作同様いいし、主人公の苦々しい愛がとても良かった。(瀧と三葉は出さなくて良かったと思う)
君の名はであった緻密さが失われた作品
2.3/5 (0.5刻みだったので2にしましたが...)
所感としては表題の通りです。
■ 物語
物語の主軸である、「想い人と世界のどちらを取るか」という話は幾度となく扱われてきたテーマであり、私も好きです。
そして、天気という身近な物に落とし込んだのはただ感嘆するのみです。
■ 脚本・構成
各々のキャラクターが思うままに行動していく、ある種、群像劇で描くような内容が各キャラクターの考えが語られないまま帆高視点で進行していきます。
そして最後まで理解できませんでした。それだけに薄っぺらく感じてしまいました。
帆高は若さ故の愚直さで、世界を捨てて愛を選んだのかというとそうではありません。
一緒に逃げようと言った帆高は、あの時点で陽菜が人柱であることを知らない以上、あくまでも自分が帰りたくないという我儘であり、そこに愛なんてものは存在しません。
だからこそ、陽菜が年下だったと知った時の反応になるんだと思っています。
ガムシャラに愛を勝ち取った話ではなく、自分の我儘を後悔し、失った愛を取り戻そうとする話です。
しかしながら後悔の描写もあまり描かれないので、余計に理解に苦しみました。
そして、実のところ他のキャラクターの行動原理も遂に理解できませんでした。特に夏美です。
事故すれすれの運転で逃走劇を繰り広げるほどに、何か思うところがあったのでしょうか。
陽菜もなんで急に自分が犠牲になる選択をしたのでしょうか。凪を置いて。
■ 音楽
楽曲自体は恐らくよかったのだと思います。
ただ、劇伴を含めただ置いているだけに感じました。無音シーンを含めて抑揚や緩急をつけるのに寄与するはずのものが、特に前半は台詞などにお構いなく早めのテンポでただただ描かれているように感じました。
新海誠のメッセージとは
『君の名は』の次は何を作るのか
その期待でお客さんは来るでしょう
でも面白い作品を作らなくてはいけない
今の時代に何を作ればいいのか
全体的に、アクションが多めです。
新海誠の必殺技の画面の綺麗なライティングとか印象が薄い。
わざと必殺技を封印していますよね?
色んな名作のごった煮を作りたくて。
言い換えれば『平成史のアニメ映画の総括』
色んな名作のオマージュです。
「でも俺もちょっとは頑張ったから参加させてよ」って感じでカメオ出演。
もう時代は変わったんです。
そういう新海誠の覚悟さえ、ラストを観たら感じました。
しかし悲劇的な事に新海誠自身、時代が変わったと認識していると同時に、日本アニメ業界の息が長くないことも示唆しています。
これからの時代をどう生きていくのか……
物語の主人公の二人はその覚悟をします。
年金が出ないかも、首都直下型の地震が起きるかも。
今の日本は不安だらけ。
それでも……
個人的にはラストカットはブラックアウトで終わって良かったと思います。
そのぐらいハッキリ言い切ってもらって良かった。
稀有な映画体験
きっと賛否両論になるだろう。好き嫌いに分かれる作品になるだろう。要はこの映画体験に酔えるかどうかだと思う。「君の名は」は確かに絵は美しいかったけれど話にはもうひとつのれなかった。
ある「映画」を好きになる、ということは恋に落ちることと似ているように思う。恋に落ちるのに人は相手に対して足し算や引き算はしない(いつの間にか恋しているのだ。単に勘違いだったり、思い違いだったことは往々にしてあるが…)だから、ある「映画」を好きになった理由を分析するのは余り意味のない事だとは思うんだけど、まあ、やってみましょう。
やはり日本アニメは文化
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