劇場公開日 2019年7月19日

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「一般仕様かそうでないか観る前に分かれば」天気の子 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0 一般仕様かそうでないか観る前に分かれば

2025年8月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

新海誠監督作品を観るのはコレが4作目。
最初の2作は面白くもつまらなくもない普通な感じで、画の綺麗さにあまり興味のない私は、もう観なくていい監督になっていた。
しかし、大ヒットと高評価を受けて「君の名は。」を観た。過去作とは違う面白さに新海監督、化けたなと思った。
そして本作「天気の子」である。

「君の名は。」のテクニックは残しつつ過去作に退化したなというのが最初の印象。
前半は本当に退屈で、中盤はある事情により楽しめた。後半の20分くらいでやっと面白くなったと思う。
後半の面白さがずっと続く「君の名は。」との比較で、5分の1しか面白さが続かない「天気の子」は評価の星も5分の1としようと思う。

観終わって、前半の退屈さと後に残る気持ち悪さは何なのかなと考えていたら、妻が言った。
「少女に聖性を見いだし神格化してるのが気持ち悪い」と。

なるほど、確かに過去作でも似たような気持ち悪さがあった。
つまり新海監督の本質はこの気持ち悪さであり、この気持ち悪さが一部にウケたから監督を続けられているわけか。
しかし「君の名は。」にその気持ち悪さはなく、これがマグレではないのならどちらも作れるようになったわけだ。

そうなるとこれからの新海監督はどっちに舵を切るのだろうか。
初期から支えてくれたファンが喜ぶ気持ち悪い作品か、一般にも広くウケる気持ち悪くない作品か。
なんとなく前者になりそうだが果たして。

ここまでも作品と関係ないようなレビューだったが、ここからもっと関係ない、中盤を楽しく観られた理由を書く。

作品内で描写されていた場所がすごく近所なもので、登場した2つの映画館にも行ったことがあり、地元感が凄かった。
何が凄いって、帆高たちの移動ルートなどが全くそのまま現実と同じことだ。
実写映画などで知っている場所が映ることがあっても、その角を曲がってもその場所にはならないけどね、となるのが常だが、本作は違った。
何度も通ったことのある道をキャラクターが全く同じに移動していく様はどんな実写作品よりもリアルに感じて、ある種の感動さえおぼえた。

つとみ
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