「危なっかしくてふんわりした奇跡」天気の子 motuniさんの映画レビュー(感想・評価)
危なっかしくてふんわりした奇跡
クリックして本文を読む
見るつもりは全然なかったけど、公開から半年経って鑑賞。
きっかけはポン・ジュノの「パラサイト」や「ジョーカー」と比較して言及していた人がいて(貧困や雨、街の描き方について比較されていた)気になったから。
「君の名は」でどはまりした私が言うのもなんだけど、「天気の子」はやはりすごく若い子たちを楽しませるために作られていて、大人の私は入り込むのはやや苦しかった。
美しい映像とRADWIMPSの音楽でドラマチックに演出されてるけど、実際の出来事は小規模、現実的で、その分「おいおいそりゃダメでしょ」と突っこみたくなるところが多い。
ただ、主人公たちが危なっかしい分、大人のキャラクター達が鑑賞のよりどころになった。
思えば、主人公たちが起こす奇跡はふんわりとしていて、廃ビルの屋上から踏み入れた幻想的な雲の上の世界も、ひなの体が透けてしまう現象も、2人にしか見えていない。2人だけの夢や幻想だとしても、何も不思議じゃない。
周りの大人たちはやはり2人の奇跡を本気で半年信じず、でも「そこまで強い思いがあるなら」と応援している。そこには共感できた。
それにしても、東京の閉塞感が妙にリアルで、「君の名は」からの変化にちょっぴり切なくなった。
コメントする
けいさんのコメント
2020年1月16日
自分としては、大人が大人目線と子供目線で観るからこそ楽しい作品だと思いました。
現実的で合理的で大人な決断(1人を犠牲にして多数を救う)をすることが当たり前となっている大人が、全てを捨てでも大切な一つを守りたいという感情的で真っ直ぐな忘れてしまった気持ちを考えさせられる内容でした。