「きっと「大丈夫」」天気の子 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
きっと「大丈夫」
2019年の国内興行収益の第一位は「天気の子」だったと知った2020年の正月。「アニメなのが日本っぽいなぁ」と思いつつ、「あれ?この作品まだ上映してるんだ」っと気が付いて映画館に足を運びました。やー、面白かった!正直あまり邦画自体を映画館で観る習慣がなく観てもたまに誘われていくぐらいで、本作に関しても特に大した理由もなくスルーしていたのですが、これは映画館で観て良かったです。
いやはや最近のアニメって本当に綺麗ですよね。雨の表現の仕方とか、光の差し込み方とか、人物と背景の動きとかホント凄まじいです。特にあの花火大会のシーンは以前見たドローンで撮影した花火大会の動画を思いだしました。よくできてるよなぁ。
とりあえず少年がまっすぐに好きな女の子の為に走る姿は良い!なんかグっときます。帆高が警察に捕まった時、陽菜が15歳だったと知って「俺が一番年上じゃないかよ」とショックを受けるシーン。あれぐらいの年齢の時って1、2歳差ってとっても重要で、一番年上なのに何もできなかったって感じる帆高に男気を感じました。島が何だか窮屈で外に出たいって気持ちも、片田舎に生まれて外に出たくって勢い余って海外を2年程放浪した自分にはあの頃の気持ちを思い出すようでよくわかります。
陽菜もいい子でしたよね。自分の体調の変化ってきっと早いうちに気が付いてて、それでも人を笑顔にできる仕事ができて良かったって。あの素直さって子供ならではですよね。でも子供二人だけで生きるのは大変でも、きっとこの日本にリアルに存在する問題なんだろうな。貧困の問題ってなかなか関わる事がないのですが、それで体を売ってたりする子がいる現実。格差というか、すごく日本の現状を浮き彫りにされている感じでした。
時折「今の子供達の将来って大変だよな」っと思ったりする事があるんですよ。毎年のように異常気象で大きな災害が起きてて。昨年台風19号の災害ボランティアに行ったのですが、その被害の凄さを生で見てみる本当に言葉を失うんですよね。自然の猛威って本当に本当に怖ろしくって。ただ地球温暖化にせよ、これまでの積み重ねでそうなっている訳で。もちろん大人たちとしては次世代に荒れた世界なんて残したかったはずもなく、ただ日々を忙しく生活していたらいつの間にかこういう状態なってしまっていて。
だからって自分に何かできるかっというと問題が大きすぎてわからなくって。例えば環境活動家のグレタさんに「あなたたち大人が!」って責められても「そんな事言われてもなぁ」と居心地の悪い気分になるだけだったり。もちろんエコに気を使うのは大事だとしても、次世代に豊な自然を残すには?と考えると答えなんて出なくって、勝手に思考の袋小路に嵌ってしまう気分・・・。
でも本作の最後「大丈夫」って言葉で、自分のない頭で考えなくても、きっと「大丈夫」なのではないかと思い、なんだかスッとしました。何だかんだで色々あるかも知れないけど、その時代その時代で人々はたくましく生きていくはずですしね。災害でしんどい目にあっても立ち尽くしても、そこからまた立ち上がる人がいるように、多少環境が変わる事はあってもきっと「大丈夫」なのではないか?そう思えます。私たち大人も日々の細かな努力を続ける事を忘れず、少しでも「大丈夫」な天気を次世代に残していきたいものです。
再鑑賞履歴
2022/10/1
Imaxにて
bloodtrialさん、2020年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
そうですよね、どの世代でも問題はあれど生き抜いていくはずですよね。次世代を信じて、そして次世代が少しでも希望を持てる環境に、微力ながらでもしていきたいもんです。
アキ爺さんへ
明けましておめでとうございます!
どんな環境にあっても、その世代は逞しく生きて行くんだと思います。少なくとも我々日本人は、大丈夫= It's alright の精神で乗り切って来たはず。希望を捨てずに行動する事を続ける限り大丈夫です!