「これは世界の異常性についての物語」天気の子 フェスタさんの映画レビュー(感想・評価)
これは世界の異常性についての物語
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まずはこの映画を見る際は常識人としてではなく「帆高」として見てください。
そうすればこの映画のラストシーンに納得がいくはずです。
帆高は世間一般からしたら「異常者」ですがもし僕が帆高と同じ決断を迫られたら迷わず大切な人を選びます。
この大切な人か世界かという決断にはあるメッセージが込められていて、この選択は「自分自身が周りの世論や意見に振り回されず生きろ」という監督からのメッセージだと自分は思う。
今の日本は右にならえの社会で「~は常識」みたいな風潮があり、常識人としては帆高君は異常。これはパトカーの中での警察官の会話にあった「鑑定医を呼びましょうか?」というセリフから見られます。しかしそれでも大切な人の為に世界を蹴った帆高君に何故か憧れを抱いてしまった…周りを気にせず大切な人の為に頑張る帆高君に惹かれてしまう。
それに加えて新海監督の描写がその世界の異常性と帆高君の覚悟をより素晴らしくえがいている。特に注目したのが陽菜が晴れにした空と陽菜が人柱になって晴れた空だと前者はとても素晴らしいが後者は真夏日の嫌になるような格差の描き方が完全にプロの所業である。
そこにRADWIMPSの歌が更に映画を彩っていて、帆高君が線路を走る時に流れた「愛にできることはまだあるかい」は帆高君の覚悟を決定づける要因の1つだろう。
最後にこの最高の映画を制作して下さった新海監督、制作陣の皆さんに感謝。
追記 見るならIMAX、ADMIXをおすすめする。
雨の音がより美しく鮮明に見える。
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