「新海誠さんだなあ」天気の子 まむぅさんの映画レビュー(感想・評価)
新海誠さんだなあ
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良くも悪くも新海誠さんだなあというのが所感です。ただ、前作の「君の名は。」に比べると少しひっかかる部分が多いように感じられました。
最初に気になったのが、スポンサーの企業について。作中度々商品が登場する場面がありましたが、ああ、前作のヒットから後ろにつく企業が増えたのだなと実感させると同時に、ひと夏を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールを描く作品でありながら裏にはお金とオトナが絡んでいるのだなと萎える瞬間がありました。
次に、作中での拳銃の扱いについて。拳銃を主人公が拾うことで、警察におわれる動機やピンチを何度か助ける舞台装置として機能していますが、見方によってはただ邪魔にも見えます。拳銃を所持し、発砲している時点で彼は不慮の事態とはいえ犯罪者にもなりかねない訳で、まず、拳銃が舞台に登場しなかったのならよりスムーズな話運びにできたのではと思ってしまいました。警察に追われる、線路の上を走るというシチュエーションの為に付与した設定なのでしょうが、蛇足とも取れます。
映像や演出に関しては流石の一言。しかし、映像力で押している部分もありますし、それが監督の持ち味でもあります。確かに、多少は賛否が分かれる作品だと思います。次回作も少年少女と世界の秘密、神秘、というテーマで来るのか。それで観客を飽きさせることは無いのか。それが次回の課題でしょうか。
劇場で見る価値のある良い作品でした。
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