「この映画は、自分の体で「感じる」映画です。 ここにあるレビューを読...」天気の子 きときとさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画は、自分の体で「感じる」映画です。 ここにあるレビューを読...
この映画は、自分の体で「感じる」映画です。
ここにあるレビューを読んで分かった気になっている場合ではありません。
自分の感情の動きを直に感じる事の方がよっぽど大切で、素敵な時間を過ごせます。
新海誠監督はじめ、天気の子スタッフの皆さんが放った渾身のエンターテインメントを全身で感じるべきです。
楽しいです。
本当に、楽しいです。
私たちは、やっとここまで来たんだって、そんな風に思いました。
最後まで見終えた瞬間、私たちは本当にここまで来れたんだ、と感慨深い感じがありました。
素直に、「新海誠監督達、マジすげえ」と思いました。
次の選択をし始めることのできる、新しい場所にたどり着いてしまったのだと思います。
この作品は、それほどのものです。
絶対に、見るべき作品です。
エンターテインメント史として、こんな節目の作品がそう何度もあることは、めったに無い事のように思います。
もう一度言います。
絶対に、見るべき作品です。
誰かが言いそうな、不安が的中した、こうなることは分かってた、時代を掴んでいない、セカイ系が、ポスト誰々が、あの巨匠監督みたいじゃない、などど、そんな誰かが自分で勝手に作った箱の中に、新海監督達を無理やり押し込め閉じ込めてうんぬんかんぬん言って悦に入ったとしても、そのどれもがあなたの言葉では無い。
あなたは、どう感じたのか。
それこそが、この映画の最後にはまる、圧倒的に正しいピースなのだ。
おっしゃることに私自身かなり共感してる気がします。相対的な感想はどうでもいい。何かと比べることは無駄じゃないか。絶対的に自分が感じたことが、結構とてつもない、いまだかつてない感じです。
私が感じたのは、「エゴイスティックに生きていこう」ということです。これは日本人に欠けているもの。多分アメリカ人のものと思われるサイトで、この映画について、「結局何も言ってないじゃん。物足りんにもほどがある」的な感想を見かけましたが、アメリカ人にはそう見えるのでしょう。そして、「だって、この映画は(主に)日本人のためのものなのだもの」と思いました。
私たちに圧倒的に欠けているもの、それは「自分がどうしたいのか」。「自分がどうしたいのか」より、「みんなのためにはどうすればいいのか」が優先されてしまう。それは、もう今は使い古された価値観で、もう嫌なんだ、それだけでは、みんな、きっと。その時代の感覚をつかみとって、監督をはじめとするみなさんが、ここまで表現してくれた。
そのことに感謝です。
みんなのためを考えてしまう感性に、自分を優先する感性が加えられれば、ここから面白いことになりそうな予感がしてならない。面白くなって欲しい。面白くしようと思います。