「作家の人生観の薄さが原因」天気の子 ガジラさんの映画レビュー(感想・評価)
作家の人生観の薄さが原因
『天気の子』は、『君の名は』同様に画はとても綺麗で、感動しました。そこはさすがだなぁ…と。
しかし、物語としてはあまり心打たれるものはありませんでした。
テーマの部分は、作品からも、インタビュー記事とかでもわかりましたが、お世辞にもよく描けていたとは思えませんでした。
過去の作品とかを見返して、登場人物を引き裂く、悲しい、苦しい設定も沢山されていますが、なぜかあまり感動や、心を揺さぶるものがないのは……。
『君の名は』が公開された年に公開された『この世界の片隅に』は、戦争時を舞台にさているとはいえ、前編にはほのぼのした雰囲気が漂いながらも、心につきささる、心に残るテーマが感じられました。
別に比べる必要もないのですが、新海誠監督は、あまり深い感動や、心の揺さぶりを生じさせるような作品作りは、今のような、画のかきこみの力や、歌の力に頼っていては、永遠に克服されない気がしました。
だからといって、いまのままであっても悪いとはおもえません。大勢が喜ぶデートムービー監督でも、十分誇りにできると思います。
しかし、今回の作品を見る限り、テーマを突き付けて
見た人の心に訴えかけるような作家には、まだ程遠い気がしました。
これを克服するためには、川村元気とも縁を切って、画も比較的簡素なものにして、歌(アーティスト)にも頼らない作品作りに挑んでみては?と思いました。
『天気の子』。歌がしつこすぎて、感動の押し売り臭く見えて、残念でした。あと、主人公の少年の家庭ももう少し描かないと、主人公のリアルな人間の素顔が見えてこないので、薄っぺらく感じてしまい感情移入出来ません。
いろいろ、もう少しな作品。