「忘れた大切なものを思い出させてくれる」天気の子 mary33さんの映画レビュー(感想・評価)
忘れた大切なものを思い出させてくれる
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神や地球という生命体から切り離して生きてきた現代人への警告を強く受けた。このままいけば地球は自己浄化作用を起こし元にあった姿に変えていくだろう。それは雨が降り止まないことによって東京が水没した描写で表現されている。
都会の象徴であるような廃墟ビルの屋上に天界への通じるトンネルがありそれは彼岸の先でもあるとも言えるだろう。この世は人間だけが作ったのではなくこの神社の存在がこの映画のキーワードになっている。人は神と共に生きていくべきだと。
古来から日本人は自然神や八百万神を尊び畏怖し、人柱を捧げ地の平和を願った。現代人はその心を忘れた故、物欲営利主義に走り自然との調和を乱し、その結果天変地異がひどくなっている。
この映画は単なるラブストーリーではなく、地球や神、自然へのの畏敬の心を忘れた日本人に対する警鐘を鳴らすものであり、私たちの魂の本質を呼び覚ましてくれるとても有意義な映画だと思った。劇中地球の描写が大変美しく描かれているのが印象的。監督の地球という生命体に対する深い愛情も感じられた。
神やガイア意識といったものを信じない人たちにとってはつまらない映画に映るかもしれない。君の名はと違い評価は二分されるはず。私は1人でも多くの日本人にこの映画を見ていただきたい。そして忘れ去ってしまった神、自然、地球への畏敬の念を思い出して欲しい。
全編を通してとにかく雨の音に癒されます。心地よかった。
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