「その後の展開を想像してみたら…」天気の子 saruさんの映画レビュー(感想・評価)
その後の展開を想像してみたら…
この映画、自然の光景と音楽は、美しく調和してるけれど、
人の描写と結末は、中途半端で、それは、現代社会の私たちの中途半端さと、
直面している問題の困難さを反映している。
だから、『愛にできること』を探しませんか?
とメッセージしているのだな、と思ったのが、1回目でした。
その意味で、新海監督は素晴らしいし、その後の想像も掻き立てられます。
ということで、いろんな想像があると思いますが、
その後、どうなったのかな?を書きます。ハッピーエンドを考えました。
◎『どうしたら、みんながハッピーエンドになるか?』
百人、千人、全員が天気の子に成ればいい。
◎『天気の子の条件』
大きな愛、豊かな感性(陽菜の母への想いと、自然界との一体化能力)
◎『ストーリー』
陽菜と穂高は、天気の子の素質を解明しようと、『天気の子 研究会』を発足。
ひょんなことから「君の名は。」の三葉に出会い、
陽菜「三葉さんって天気の子っぽくないですか?」
ということで、三葉もスカウト。瀧くんもついてくる。
瀧くんは、名前からして、雨の子。
「もっと、天気の子を増やすには!?」と考えたところ、
穂高は、Youtubeとインスタをやろうと陳腐な提案。
陽菜は、みんなが楽しめる大道芸をやろうと言い、
三葉、瀧くんは、沈黙。そこで、
凪「お姉ちゃんたち、アイドルグループでもやれば?」
鶴の一声で、陽菜と三葉はアイドルグループを結成することに。
その名も、『てるてる・Qラブ(くらぶ)』
しかし、陽菜は、「それならまだ、お笑いか大道芸のほうがいい!」と主張をゆずらず
よって、折半、
『日本興業エンターテイメント』を立ち上げ、史上初の、
本格的な、アイドルとお笑いがマリアージュしたグループを結成。
そうこうしている内に、瀧くんは、
天気の秘密を解明、空の奥には、まだ見ぬ天の世界があることを知る。
天の世界の存在たちは、彼らが、
世界を明るくするために、動き出したことを知っていた。
そこで、陽菜たちは、天の光の存在たちと、契約を結ぶことになる。
そう、ここからが、
日本興業の『光営業』のスタートだ(笑)
光営業とは、太陽のように、24H営業、年中無休の無給。
ブラックに聞こえるが、この上なく、クリーン。
いや、本当は、最大の報酬がもらえるのだ。
天気の子として働くとき、一人で抱えるから、負荷がかかる。
でも、2人以上の天気の子がいるなら、
愛のシナジーで、爆発的な歓びが与えられる。
それは体に受ける負荷を上回るパワーを発生させる。
それが、100人になったら、どんなに素晴らしいことだろう!
その真実を知った、てるてる・Qラブ一行は、
ファースト・アルバム
『愛にできることはまだあるかい』
を発売、被災地をメインに、各地のイベントスペースで披露することになる。
この初回限定版DVDのB面は、お笑い企画で、
『絶対に笑ってはいけない穂高のチャーハン』となっている。
とてもワクワクする内容だ。
しかし、イベント当日は、伊勢台風の30倍の未曽有のスーパー台風100号の接近
誰もがあきらめる状況となり、全国規模の、特別警報、緊急事態宣言を政府が発令した。
てるてる・Qラブは、必死の思いで、神社のゲイトをくぐり、
天の世界へと助けを求めに行ったところ、帰ってきた答えはこうだ。
『大難を小難にするには、正中台風に変えるほかない。』と。
太陽(火)の力と水の力(水)が必要だという。
その器になるのが、陽菜と穂高だ。
しかし、2人の力で変えられるのではない。
天の気とは、人々の気と連動し、
莫大なパワーとなって降り注ぐ。
それを仲介し、増幅する役割を持つのが、天気の子なのだ。
人々の心の中に、明るさがなければ、増幅することはできない。
人々の心の中に、明かりを見つけた時に、コラボレーションすることができる。
それが、本当の、晴れ女の力なのだ。
中略。
こうして、イベントスペースでは、無事、
歌とダンスとお笑いが絶妙に繰り広げられ、
台風を変えた力を観たくて来る人も多く、
爆発的なヒットを記録、1週間の公演の間に、
youtube再生回数5670万回を達成し、さらには、
メンバー志願者が多数続出、計36人になった。
この明るいムードが、子供や若者たちに希望をもたらした。
『大きな愛と豊かな感性で世界を照らす
てるてる・Qラブ!!!』
このキャッチフレーズは、瞬く間にその年の流行語となったのだ。
若者だけではない、大人たちにも希望をもたらした。
天気は、変えられるのだということ。
ムードは、変えられるのだということ。
人々のムードが、社会に影響を及ぼし、天気に影響を及ぼす。
天気が、人々の心に影響するのだとしたら、
逆もまた、しかり。
自然界の法則に一方通行はない。
それが、本当に、可能だ!ということを示してくれた彼らに、
大人たちも、ようやく、『光』を観ることを思い出したのだった。
おわり。
長文をお読みいただき、ありがとうございました。