「10代の子どもと鑑賞しました」天気の子 scyさんの映画レビュー(感想・評価)
10代の子どもと鑑賞しました
この監督の作品は初めてです。
冒頭、家出して上京するため船に乗った高校生の主人公・帆高と、マイナーな雑誌編集者・須賀との出会いのシーンがあるのですが、そこから突飛で、その後の人物の会話にも現実味を感じられず。
今の中高生ってああいう話し方をしてるかな?手足は伸びてきていても、判断を次々に迫られた時に、意外とあやふやで思考停止したりしないかな?
特に男子は女子と違って発達がゆっくりなので。
監督(大人)の頭の中で考えた中高生がこんな感じなのかなと思って観てました。
人物像が掴めないまま、最後まで置いていかれた感じです。
ジャンルとしては中高生向けのラブストーリーだと思いますが、一つひとつのシーンがどこかで見たような、聞いたような既視感のあるもので、スポンサーの宣伝のための小物(即席麺など)のアニメCMを繋ぎ合わせて一本にしたような映画でした。
親に子どもたちを映画館に連れて来てもらわないといけないので、通信教育大手のあの企業にも協賛してもらったのかな?なんて雑念も湧いて来ます。
良かった点は、東京の街を繊細にトレースして画の作り込みがしっかりなされていたところ。
監督が風景描写にこだわりを持っておられる方だそうで、脚本家の方の力を借りて人物描写やストーリーに厚みを足せば、2時間ほどの映画としてのバランスが良くなり、大人も満足できそうです。
子どもはちょうど理科で気象の勉強をしているので、三年も同じ場所に雨が降ったらもっと大災害になるのでは?植物が枯れるはずでは?あと晴れ女・雨女の設定など分からないところが多かったようですが、画が綺麗で音楽もかっこ良かった!と喜んでいました。
ただ、先日鑑賞した『名探偵ピカチュウ』の方がもっと感動したし、ピカチュウの正体も面白かった、とも付け加えていました。