「天気という少年少女の砦」天気の子 うみゃさんの映画レビュー(感想・評価)
天気という少年少女の砦
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未成年の少年少女が現代社会の闇を彷徨いくぐり抜けながら自分なりの幸せを見つける話だと感じた。
キャッチャーインザライという小説を読みながら家出した主人公。
貧困、無知、弱者。
銃の使い方も重大さも知らないしノリで生きてる。
若さだけ搾取されるような、そんな身体や肉体労働だけで、大人になってはならないよというように、天気の子という素質を見つけていく。
学が無いまま、大人にならざるを得ない、時に劣悪な環境に放り込まれる子供達。
それは今の現代ともリンクする。
果たしてこんな世界でどう生きるのが正解なのかと。
賢い穏便な大人ならこうするよねという答えを無視してでも、天気を犠牲にしてでも、自分にとって大事な価値観や人達を、最終的に穂高は見つけた。
真っ直ぐに自分の見たものを信じ、好きになる。
あえて曖昧なマイノリティな感情も関係も肯定する。
もともと世界なんて狂ってるのだと、何かに心を突き動かされる、そんな自分の狂った部分を認めたり素直に見つめると、後先も考えずに突っ走ってしまうのだろう。
そんな青さを愛でるようは映画だった。
君の名は。が目に見えない縁や運命の人の話だとすれば、
天気の子は、周りに反対されても自分に真っ直ぐでいたりだとか、狂っても好きなものを好きでいてくれという話だと思う。
だから個人的にかなり好きな作品となった。
ライ麦畑でつかまえての話のように危なさを捕まえたり身内には心を開くような描写がいくつかあって気になった。
序盤はだれたたけれど、終盤の怒涛の伏線回収や展開は最高だった。
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