「低評価への反論?」天気の子 ほーたさんの映画レビュー(感想・評価)
低評価への反論?
私としては「君の名は。」よりも好きだった。新海監督の「君の名は。」以前の雰囲気とエンタメ向けの作り方をうまくマッチさせた作品だと思う。
天気の子のレビューにおいて低い点をつけている人が理由にしているのが、ラスト付近のクライマックスの帆高と須賀の行動理由を理解できないというものが多い印象。
しかし、この映画の主題歌にもある「愛」という行動理念を理解できる人ならば理解できないことはないはずである。
帆高はもちろん、社会より陽菜の方が大切であるという本心を伝えられないまま消えてしまった陽菜への「愛」。
須賀は過去に事故で亡くしてしまった妻への未だ残る「愛」。クライマックスにおいては当時の自分を帆高に重ねて、常識をわかっている大人という側面よりも「愛」が優った故の行動だと思う。あの時に行動できなかった自分を帆高に追って欲しくない。それまでの帆高への説得は、帆高ではなく大人であるはずの自分へと向けていたのだ。
帆高と須賀が似ている云々もここにつなげるための伏線だと思う。
また、ファンタジーを描くには新宿代々木がリアルすぎるという意見には、むしろ現実にとても近しい所を舞台にすることで、その現実・社会よりも「愛」をとるという、帆高の選択が映えるのだと言いたい。また、今までのセカイ系と異なるのは、最後にあの瞬間社会よりも「愛」を取ったんだと主人公がうやむやにせず認識をした上で、それでも大丈夫なんだという結論を得た点だと思う。
あと、行動が子供っぽすぎるっていう意見。いやだから子供なんだって。
スッキリとした終わり方でとても好きだった。