「最初から最後まで世界観に没頭して目が離せませんでした」天気の子 酢もつさんの映画レビュー(感想・評価)
最初から最後まで世界観に没頭して目が離せませんでした
君の名はを越えるかなぁと思って期待して行ったけれど、どちらが優れているかなんて甲乙付けがたい!素晴らしい、の一言です。
君の名は以上にメッセージ性を感じる内容だったと思います。一人の幸せと全体の幸せ、どちらを選ぶか?どちらを選んだとしても、世界は続いていく。結局人は、自然現象には敵わない。みんなそれぞれの正義の元に動くけれど、他人の実際のところなんて何も知らない…などなど、まだ受け止めきれてないメッセージもきっとあると思うのでもう一度映画館に足を運びたいです。
最後の陽菜が祈っているシーンに賛否が多いようですが、陽菜は力をもう失くしたけれど責任感から毎日祈り続けている…と私は解釈しました。
帆高の家出理由も説明はされてなかったけど、絆創膏が顔にたくさん貼ってあったので殴る親だったのかな…なんて想像しました。
構成は君の名はとほぼ同じだなと思いました(男女が出会う→RADWIMPSの音楽と共に二人の仲を深める楽しい日常の様子がテンポ良く描かれる→二人が引き裂かれる→主人公がヒロインを探しに行き、走って走って助けると同時に世界の仕組みを少し変える→時が経ち再会する)。
でもこんなに構成が同じなのに全く違う物語になっていて、既視感も無く最後まで夢中で観ることができました。弟のキャラも良かった。あとは君の名はよりもわかりやすくまとまっていたと思います。
映像はため息が出るほど美しいし、RADWIMPSの音楽と歌詞のシンクロも大変効果的で涙を誘います。
一つだけ残念なのは、リアルな世界観なのにリーゼントの刑事だけが少し浮いてたかな……
君の名はと比較されがちだとは思いますが、私はどちらもとても好きです。君の名はの次の作品ということでプレッシャーも大きかったとは思いますが、監督の作りたいものを作りながらも観客の観たいものにもちゃんと応えてくれたと思います。素晴らしかった。しばらく余韻に浸ります。
言いたいことほとんど言って下さっています。刑事さんの髪型、確かにちょっと浮いてましたね笑
映像や音で魅せるため説明最小限なのが確信犯なら、「これはフィクションだから」と念押す材料の一つなんでしょうか。