「勅使河原は何処に居たんだろうか」天気の子 ぽほぞんさんの映画レビュー(感想・評価)
勅使河原は何処に居たんだろうか
<君の名は>の方がエモかった。だから、星4なのかなぁと思ったけど、やっぱり映像も演出も音楽もお話も素晴らしかったので、文句なく星5だと思う。
僕は見る前から、君の名は を超えるのか?いや、超えれないだろうという目線、そして同じような話をやるんじゃなかろうかという懸念を持っていた。
前者は勿論超えなかった。でもそれは新海監督の作品に対する経験値が高くなってるから、仕方ないのである。それでも、ある種<君の名は> の呪いを受けながらこんな作品をつくるなんて凄すぎるなと思う。
後者はある意味そうで、ある意味違った。これはテーマに絞った話である。前作と同じだと感じたのは、<大きな喪失と、それを取り戻すために奮闘する>というところだ。また、これは鑑賞後は新しいと感じていたが、ちょっと時間が経って思うと<失われた世界は戻ることはない>というのも共通しているのかもしれない。しかし、今回は世界の喪失が、大き過ぎて、これはボーイミーツガールの代償として果たして納得されるのかという焦りを覚えた。新海監督の手の平の上で踊る僕。CMで流れる<僕たちは世界の形を変えてしまった>という文言の意味が分かる。ココが大きく違うところかな。君の名は を悪い言い方をして 単なるボーイミーツガールとするなら、 天気の子は ボーイミーツガールは他のすべてを犠牲にしていいのか?みたいな。まあ、真新しいテーマではないですが、大衆観劇でありますから、清々しさが残ってて非常に良いなぁと思います。
あと感想としては、風俗だとか、ヤクザだとか、ネットカフェ難民とか、保護観察児童みたいな東京の暗い部分を舞台にとり上げてる辺りが、前作の爽やか満載な感じより僕的には良いのかなぁって思います。あと、本田翼の声優は全然上手かったです。下手とかいうネット記事を見たので、ちょっとハラハラしてましたが、全然良かった。
結局最後は涙ぐんでしまう最高の映画なので、是非観てくださいね。