劇場公開日 2019年7月19日

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「主人公の品性にがっかり...」天気の子 (*-ω-)izayoi(*-ω-)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主人公の品性にがっかり...

2019年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

物語 3.5 より新海流を貫いた、そんな感じ。前作よりもよりファンタジーに話を振ってきたが個人的には序盤のテンポがゆっくりしていて浮き沈みがない。やっと話が動くのも中盤の手前あたり。あと一つあるとすればいくらファンタジーといっても舞台は完全に東京をモチーフにしていたのでもう少し具体性が欲しかった。見ていて考えさせられる場面がいくつもあった。「なぜ?」のようにより物語に深く探求したいと考えている人には納得がいかないかもしれないです。

作画:5.0 これに関しては文句なし。臨場感ある描写と何よりも雨の描き方、タッチが細かく素晴らしい!特に雨の描写などは見入ってしまいます...

音楽:4.0 物語のテンポとセリフ、背景との相性も中々良かった。前作と比べると少し明るい雰囲気を醸し出す曲を入れてきた。監督には少しでもテンポの浮き沈みを激しくする狙いがあったのかな?1曲でそれまで続いていた雰囲気が一気に逆転する感じがありました。

キャラ:3.0 これに関しては下記にもある通り、帆高の品性については現在に類を見ないほどによろしくない。ここまで根が曲がっている高校生が一連の出会い、登場人物との会話としてきたと考えると寒気がする。ヒロインと他キャラクターについてはセリフと表情が合致していて良かった。

声優:4.5 これには文句なし。重要な場面でのセリフは圧巻。違和感がない技量に感服しました。やはり2000人という狭き門から選ばれただけのことはあると感じました。

これは評価がかなり割れそうな作品。出だしは前作と比べると大きな浮き沈みはなく、ゆったりと進んでいく感じ。個人的には少し退屈だった。自分がテンポの浮き沈みがある映画を求めているのもあるが前作には少なくともあった。まぁより新海らしい作品なのでそこは尊重したい。唯一あるとすれば今回のテーマは現代に見合った社会問題を取り上げていたがいくらファンタジーに寄らせていると言っても主人公二人に感情移入出来なかった自分にあの現象と幕引きには納得がいかなかった。感情移入とストーリーに納得がいかなかった自分にはあのエンドは厳しすぎる。それに何にしても主人公のあの品性。監督は主人公に何を求めたかったのか?過去の作品の主人公は少なくとも考え、悩み、そして苦悩の末、決断する感情だけに任せて動くキャラではないと思っていた。物語の中盤からそんな感じを漂わせてはいたがあのような形で現れてしまうのは残念。

前作には及ばずとも新海らしさが出た久しぶりの1作品。
次の作品に期待したい。

izayoi