「一言で言うと”壮大の無駄遣い”...(笑)」天気の子 御茶の水さんの映画レビュー(感想・評価)
一言で言うと”壮大の無駄遣い”...(笑)
タイトルにしました通りだと思います(笑)
とにかく壮大。
アニメとしての映像の込み入り方は、職人芸としか言いようのない匠の領域の繊細さがあります。
キャラクターデザインの田中さんの安定感も手伝って安心して人物描写を見ることができます。
物語の中の登場人物たちの声の出演の皆さんの密かな豪華さも俳優さんから、声優さん、現在、過去、未来が見える壮大さ?!だったと思います。
若干のお遊びが、コアな層をくすぐりますので、ご覧になれば、ああ、御茶の水が、言ってたのこれか!ってなるのでお楽しみになさってください。エンドロール見て、くっそう、もう一回見ないとどこかわからんやろ!ってなるかもしれません。
ネタバレなしで、レビュー書こうとしているので様々すっ飛ばして書きます。
総合感想:☆4.5/5.0
壮大の無駄遣い…。(意味はご覧になればわかります。)
監督力:5.0(現状やりたいことの玉手箱状態だったはず(笑))
演出力:5.0(絵コンテ、Vコンテ採用にてとにかく詰められていて死角がほぼないかもしれない。お金もかけるべき時間も正しく使われた印象)
脚本力:2.5(圧倒的にココが残念だった。セリフ回しとしてはほぼ完璧なんだろうけど、なんだかそのセリフを裏付ける原作設定というか、なんというかごっそり不足していると思う。)
原作力:2.5(着眼点も、切り口もさすがとしか言えない。正直、私ごときでは、批評できても絶対原作思いつかないレベル。でも、同じくらい脚本力のところで解説させていただいた通り、そうなんだろけどわかんない。なんでか入って来ない感がある。結局5.0+ほぼ0を2で割るので、2.5になってしまう。)
音楽力:5.0(作りこみ感がすごい。明らかに時間かけてこの映画のこのためにアーティストは時間を捧げていたはずだ。音の奥行が、それを証明しているといえる。)
これは、あくまで私の印象に過ぎないが、高評価に終始されている方のレビューを見ると、おそらく作画力のエぐさと音からの圧からくる、圧倒的な壮大感に押し切られておられる印象だ。それほどに、画面と音からの圧がすごい。見どころの芯と言っても過言ではない。だから、この映画の超おススメポイントでもある。壮大を贅沢に使い込んでいる。まさに、”無駄遣いされた壮大”を堪能すべきだと補足する。
では、なぜ”壮大の無駄遣い”とタイトル付けしたのか?
逆に、これってこの壮大を省いて通常の作画と予算レベルで作ったとして、ここまでの存在感を出せたかといわれると、NGワードはいっぱい出てきてしまう。それ込みで入場料を払うわけなので壮大は明らかな作品価値なのだけど、君の名は。の新海監督の最新作に各社莫大な出資をしてできた感は外して考えるわけにはいかないと言っておきたい。
他のレベルが、高すぎたために、減点ポイントが目立ってしまっていると思われるが、そこも、逆に予算規模が半端なかっただろうから除外して考えなくていいはずだ。
最終的に、じゃあ、お前はどうレビューするのだ?と聞かれたら
見て考えて見てはいかがでしょうか?と返してしまう。
つまり、見る価値があり受け取り方は様々だけど、正味の突っ込みどころは、悪く言うほどでもない。脚本力不足は、壮大の乱れ撃ちが、死角をカバーしている。どこで、どんな辛らつなコメントを見つけたとしても、見に行かない理由にはしない方がいい。
つまり辛らつなコメントを書いている評価主のことは、あまり信用できる感覚ではなさそうだと言えるレベルで作品の総合力が高いと思う。
ネタバレを書くとしたら、あれは、あれだろうな。これは、ここから引っ張ったなと突っ込めるが、それは、お楽しみでいいかなと話をまとめて私のレビューを終えたい(笑)
PS
京都アニメーションの事件は、痛恨の極みだ。
犠牲者のお名前を作品上のエンドロールでお見かけ出来るだろうから、なおさら知らなくとも知り合いを、大切な友人を失った気持ちになる。個人の思い込みや批判、批評などはある程度自由だと思うが、テロ行為を持ち込むのは、絶対許せない。そんな中、新海監督が今日のTV出演時に発したコメントが私たちに勇気を与えてくれるものだった。この事件を目の当たりにしてもなお、作品は世に出し続ける。
こういう行為は怖いけどやめない。といった主旨の内容だった。
この勇気のある言葉で0.5追加で、今見るべき日本アニメの1作であると☆5.0を捧げたい。
(無論公開中の京都アニメーションの作品も見に行くことが、私たちのできる最上位の供養だということは、言うまでもない。)
京都アニメーション事件で、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、お怪我された皆さんの1日も早い回復をお祈り申し上げます。