「「突然の別れ」が欲しかった」天気の子 並木道さんの映画レビュー(感想・評価)
「突然の別れ」が欲しかった
君の名は。が大好きだった私がなぜこの映画に失望してしまったのかについて考えた。
私は新海誠作品の「突然訪れる別れ」みたいなものにいつも衝撃を与えられて、そこに心を動かされる部分があった。
例えば、「君の名は。」なら突然三葉と連絡がつかなくなってしまうのもそうだし、あの片割れ時に瀧と三葉が再開するも、ペンを握った瞬間に訪れる突然の別れみたいなのがものすごく好きだった。
でも今回の天気の子ではかなりヒロインはもう居なくなりますよ〜みたいなのが観客側として感じ取れるし、いろんな場面でヒロインの力が及ぼす代償みたいなものを匂わされてたために、「翌朝目覚めたらいなくなってる!え!!!!」みたいなのは全くない。「だろうね〜」って感じ。
そこが一番の、私が楽しめなかった要因だった。
それも含めて、おんなじようなの作ればいいってもんじゃないでしょ、、、。
新海誠さんの作りたいものってこれなの?
こんな同じようなのしか作れない印象はなかったけど、、、、
晴れ女の設定とか結末とかが全く説明されないまま、勢いだけで押し通そうとするのはいい。
ただ、その勢いも中途半端で、冷静に考える余裕があるから無理がありすぎて、意味が全く理解できないまま、結末に連れて行かれて大粒の涙流されても全く感情移入できない。
あと、下ネタで笑わせるみたいな場面が多すぎて辟易する。
そんなにおっぱい気になるかい、、、?
その十代の「私たちだけが知っている真実、世界」みたいなものは好きだし、魅力的だけれど、
今回のは主人公とヒロインが自分達の世界によがり過ぎてる。観客は置いていかれっぱなし。
ただ一つ、小栗旬はよかった。
観客なんて1視聴者です。
置いていかれるなんてザラにありますよ。付いていかなきゃ。
え、僕ですか? 置いていかれましたねぇ…。
でも、足りない部分を補完(妄想)するのは楽しいので何とも思いませんが。
考察する余地ない作品なんて…