「誰かと語りたくなる。」天気の子 かにおさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かと語りたくなる。
まず、明らかに賛否あるであろうこの内容でこれだけ大規模に公開するという勇気に拍手でした。面白さは勿論、異常気象が多い今の時代を生きている私達が今観るべき映画だと感じました。
結構スリリングな要素もあり、和む要素もあり、アクションもあり…激しい114分でした。
そしてやっぱり新海監督の描くラブストーリー。キャラクター達の気持ちに寄り添って丁寧に描かれていて、心が揺さぶられます。
悪く言えば「都合の良い解釈」、良く言えば「ものは考えよう」。不条理に起こる不幸は、もしかしたら何かの埋め合わせのためなのかもしれない…とか、色々考えてしまいました。
上映が終わったらすぐに「私はよかったと思う」「ん~~~どうなのこれ」という声がたくさん聞こえてきて、これがこの映画の狙いか、と思ってしまいました(笑)
そして今作も新海作品ファンへのファンサービスがあります。そこも熱いポイントです。
あと、本田翼さん別に悪くなかったと私は思いましたよ。
勿論、映像と音楽は言うまでもありません!これは映画館で観てほしいなあと思います。
「賛否が分かれる」かぁ。
このコメント、ネタバレです。
首都を水の都にするのと引き換えに少女を救ったから「否」ですよね。そもそも水没地区は海抜0。地震で津波にでも遭えば、もっと悲惨な事になる訳で。徐々に水没するのなら安全に避難と移動ができるけど、一瞬の津波からは逃れられない。ま、この津波は例えばの話です。要するに「塞翁が馬」。長い歴史の中で考えれば、その良し・悪しは、今の私達が語れるものでは無かろうと言う話。
自然はなる様にしかならないけれど、私達の住む世界は私たちの手で作り直すことができる。そこで命がつながれば。
私は、そう解釈しました。だから「賛」です!