「無関心と本当に知らないは大違い」目撃者 M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
無関心と本当に知らないは大違い
主役のイ・サンミンが好きで、やはり本作でも楽しませてくれました。
韓国のバイオレンス描写はさすがの一言ですが、凶器がハンマーってところがより現実味があったりするのかなと。銃社会ではない日本にいると、銃での殺し合いってどこか作り物感があって感情移入し辛いのは私だけか?
殺人事件を目撃してしまった主人公サンフン(サンミン)は、そもそも事勿れ主義。
実際に人が殺された姿を見ても、恐怖心からそもそもの事勿れ主義を貫き通します。
他の方のレビューを読んでいると、この地点でイライラすると書いてる方が多いのですが、私は特に。どちらかと言うと、サンフンの心情が伝わってきて、人間、マジで恐怖と隣り合わせになったらこうなっちゃうかもなーくらいに思いました。ですから、サンフンがとる行動に対して違和感もなく、イライラする事もなく。
可愛い幼い娘と奥さんを守る為にサンフンの行動は決して正しくは無いけれど、ぶっちゃけ、警察に信頼を置けないのは日本のニュース見ていても思いますが、警察が護ってくれる補償なんてあってないようなもんくらいにしか思えない現代。殺しのプロからすれば、一般人殺すなんて大した事無いんだろな、、、とか、基本、ネガティブな考えが浮かんできます。
印象的なエンディングも良かった。
結局、サンフンは命からがら生き残れたけれど。
マンションの住人には彼と同じ立場になり得た可能性のある人がたくさんいたであろうと思うとそこもゾワゾワポイント。
なんでもやっぱり量より質。
いざ、自分が当事者にならないと分からない。
この映画がそんな事を考えるきっかけになれば良いな。
希薄な世の中に素朴なメッセージを投げかけている作品でした。
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