「焼肉ドラゴン刑事が活躍するも・・・」目撃者 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
焼肉ドラゴン刑事が活躍するも・・・
事なかれ主義、無関心、マンションの価格が下がる・・・住民たちは警察・マスコミに協力しない旨の誓約書を書かせるほど酷い非協力体制を取るのだった。いやはや、犯人がすぐに捕まった方がいいでしょうに・・・と、もどかしさとイライラが延々と続くサスペンス。
深夜2時にエレベータに乗り合わせた405号室の夫人チェ・ソヨン。しばらくして、一緒に警察に訴えましょうとハン・サンフンに申し出るも、彼は頑なに拒否。落とした携帯を届けようとしたときに、真犯人によるソヨン殺害現場を目撃してしまった。もうここで警察に通報しましょうよ!とイライラは頂点に達してしまい、そこまで無関心を装わなければだめなのかと悲しくなってくる。
そんな観る者をも不快にさせる展開であっても、家族までが襲われるといった被害妄想によって漸く警察に証言するサンフン。しかし、意外な人物が彼を襲い、またもう一人の証人までもが殺されかかる。どうするよ!サンフン。あなたのせいで被害者が増える一方だぞ!てな感じで憤りばかり感じてしまいました。おまけに最初に疑われていたストーカー君も自殺。
登場人物の心理線という点でもギクシャクさせる部分が多く、唯一感情移入できる焼肉ドラゴンのオヤジが良かっただけ。しかし、この刑事もサンフンに邪魔させられてるんですよね~。困ったもんだ。証人保護プログラムとかは韓国にないのかな?とにかく家族を守らなきゃならないって非常時でさえ警察はのんびりしていた気がする。
マンションという閉鎖的な住民心理だとか、事件には関わりたくない心理を辛辣に描いてはいるものの、自分が狙われてるのに行動を起こさない主人公たちには全く共感できないまま。かなりハチャメチャなサイコパスさえも水に流してしまえ!て感じの驚きのラストには神による天罰とばかり、ディザスターで締めくくる大味の作品でした。