劇場公開日 2019年3月29日

「些細な台詞に仕込まれた伏線が導く文字通り驚天動地のオチがスゴイ!」目撃者 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0些細な台詞に仕込まれた伏線が導く文字通り驚天動地のオチがスゴイ!

2020年1月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

銀行ローンでマンションを買ったサンフンは同僚との新居祝いの飲み会から帰宅すると外から女性の悲鳴が聞こえる。慌ててベランダに出たサンフンは階下で帽子を被った不審な男がハンマーで女性に殴りかかっているところを目撃してしまう。サンフンはとっさに身を伏せるが、男は灯りが点いていたサンフンの部屋があるフロアの階数を一つ一つ数えていた。

まずサンフンがもう徹底的に事勿れ主義者なので自分と家族の安全のために目撃者であることをひた隠しにしようとする様にもうとにかくイライラさせられます。そんなその場しのぎが事態をどんどん最悪の事態へと転がしていくわけですが、サンフンと犯人だけでなく、階下に住む主婦、ごみ収集に熱心な少年、婦人会の会長、ベテラン刑事とその部下等様々なキャラクターが物語に絡んできて、彼らがふとこぼした言葉に秘められた伏線が導く文字通り驚天動地のオチのテンションがハンパないです。

もちろんメインはサスペンスですが、その背後に見え隠れする韓国のお国柄を暗示するあるあるがエゲツないくらいに辛辣、この脚本書いた人、凄いです。

主役のサンミンを演じるイ・ソンミンの顔芸がとにかく多彩。特に終盤から全く違う表情になる辺りのテンションが極まった演技はスゴイ。そして事件を追うベテラン刑事を演じるキム・サンホがメチャクチャカッコいい。見た目は雑にハゲ散らかしたオッサンですが、頭脳明晰で冷静沈着なのに上司に反抗的で時には同僚も蹴り飛ばす熱血漢という難しい役柄を情感たっぷりに演じてます。

私のフェイバリット海外ドラマ『警察署長』みたいな、物凄く分厚い人間ドラマの向こう側に蔓延する利己主義が裏テーマ、必見もいいとこです。

よね