「魔性の女の闇」アンノウン・ボディーズ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
魔性の女の闇
日本での上映は殆ど無かった、ベルギーでベストセラーとなった小説を映画化。女性の首なし全裸死体が6体も発見された、サイコパス殺人事件の犯人捜査を描いたクライム・サスペンス。ベルギー映画というのは、あまり観る機会は無かったが、ハリウッドの様々な作品のよい処取りしたような内容でもあった。
まずは、主人公となる刑事が、若く血の気の多いはみ出し刑事と堅物なベテラン刑事という凸凹コンビは、ポリスムービーにはよくあるパターン。そして、そのはみ出し刑事が、サイコパスの餌食になりかけた女性と恋に落ち、刑事としての一線を超えていくのは、『氷の微笑』でもお馴染み。しかも、その女性が精神科医の美魔女というのも、アルアルの設定。
ストーリーとしては、すべて血を抜かれ、指紋も焼かれ、しかも首まで斬り落とされた無残な6体の遺体を発見するところから始まる。現場近くを捜査していた若い刑事・フレディは、犯人の所から逃げてきたと思われる、全裸で記憶喪失となった精神科医のリナを保護する。フレディは上司の命令を無視して、彼女の記憶を手掛かりに単独に操作する中で、次第にリナの魔性の魅力に憑りつかれ、男女の関係となっていく。
そのことを上司に知られ、現場捜査から外される中で、絞り込まれた犯人と思われた者達も、次々と殺されてく。ラストに浮き上がってきた犯人は、意外といえば意外だか、ある程度、読める展開で「やっばりな」というオチとなっていた。
フレディを演じたウェルマー・デスメットは、金髪で髭を伸ばした筋肉マッチョ。その風貌が『美女と野獣』の野獣の顔を思い浮かべた。もう一人のベテラン刑事・ケーン・デ・ボーウは、役柄も含めて杉本哲太に似ていた(笑)