劇場公開日 2019年1月11日

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「新感覚ホラー」テリファイド MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0新感覚ホラー

2020年2月7日
Androidアプリから投稿

アルゼンチンのイメージは広大な大地を駆け巡るラリーカーしか想像出来なかったが、過去様々な国の作品を観た中で、本作の雰囲気には初めて出会った。
描写的にはハリウッドのそれと通ずるものもあるが、根本的に違いがある。
まず、それぞれのシーンが「じっくり」描かれている点。描写が丁寧なのだろうが、少ない台詞の中で一点を長く描くという構成だ。ややまったりした印象にも思えるが、本作の凄いところはそれで感じる恐怖感を持続させること。瞬発的な怖さもあるが、不穏な出来事が迫っていると感じさせられるような独特の空気感に包まれているのである。デメリットになる部分は、分かりやすくまとめず、疑問を残したまま進んでいくところだろうか。ヒントを与えるから皆で考えてくれというメッセージが込められている様にも感じるが、スカッと終わる映画が観たい際にはやや詰まるだろう。
こてこてのホラーだが、幽霊だけでなく、異形の「何か」がやってくる。その「何か」を鮮明に撮ることはせず、何となくボカシのかかった状態で近づいてくるあたりは中々怖かったものだ。

ギレルモ・デル・トロ製作でリメイクされるらしいが、確かに彼がすぐ取り掛かりそうな雰囲気の作品だ。「シェイプ・オブ・ウォーター」も良いが、ダーク・ファンタジーの真髄をまた披露して貰いたい。

Mina