「実に不思議な映画」108時間 M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
実に不思議な映画
108時間も眠らずに起き続けていれば精神に(というか脳に)支障をきたすことは誰にだって分かる。本作のキモは、劇団での役作りとして108時間の断眠が導入されていることと、劇を演じる舞台が曰く付きの(閉鎖された)精神病院であるということ。主人公の身に降りかかるさまざまな怪異が、はたして断眠によるもの=幻覚・フェイクなのか、それとも場所柄ゆえの心霊現象なのかが判然としない。そればかりか、一連の出来事のどこまでが演出(演技)によるものなのということの境界も曖昧だ。現実と妄想(幻覚)と演技が渾然一体となって織りなすある種の狂気。観終わると非常に不思議な感覚にとらわれる作品だ。
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