劇場公開日 2019年6月7日

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「お家芸」アラジン everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5お家芸

2019年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

子供から大人まで楽しめる、これぞディズニーエンターテイメント。ロングランなのに、大劇場が満杯であることに納得。

アニメーションと有名な歌は知っていましたが、細かい内容はすっかり忘れた状態で鑑賞。

で、監督がGuy Ritchieであることを映画開始後に初めて知り(^_^;)、期待が高まりました。

Will Smithは影のある役柄よりこういうコミカルな方が似合う!持ち味を存分に発揮していましたし、Jasmine役はとにかく歌唱力が素晴らしくて、最後のソロ ”Speechless”は、魂が込められていました。
Aladdin役はキレキレのダンスやアクションなど身体能力重視で選ばれたのでしょうか。流石ディズニー、集まる人材のレベルが高い!!適材適所とはこのことかと。

加えてJasmineが女性蔑視に抗うテーマが際立っており、単純な実写化に終わらない所もディズニーらしいです。女であることだけを理由に道を閉ざす「伝統」とそれを定める法律…、あらら、日本にもありますね。権力や財力のある男性を射止めることでしか女性の立場を向上できないという考えは悲しいことです。21世紀の王子様は、城内の豊かな暮らしを与えるのではなく、お姫様を自由にして視野を広げさせ、決して活躍を妨げることのない人であり、肩書きばかりに気を取られてはダメよ…と、幼い女の子達の潜在意識にも伝わったのではないでしょうか。

パレードシーンなんてお手の物?
絨毯飛行は4Dでも楽しそう。
Aladdinの感情や思考の変化はやや唐突ですし、話の流れに意外性は少ないのですが、そのためかえって映像と音楽に集中して楽しめる感じです。話が単純だからこそ感動するのか、3回くらい涙が出ました。

国王は一瞬Joaquin Phoenixかと思いました(^^)。

絨毯(←名前をつけてあげて!)がビーチで砂の城を作っているシーンが何気に一番好きかも(^。^)。

ディズニーの底力を見せて頂きました。

お金や家畜と交換される未来が待つ世界に生きている女の子達に、映画が無理ならせめて歌だけでも届くといいのですが…。

“Life will be kinder to you, Princess, once you accept these traditions and understand it's better for you to be seen and not heard.”
↑これほど上手く女性のobjectificationを表現している台詞はないかも。

“I promise you, there's not enough money and power on earth for you to be satisfied.”

“Here's the thing about wishes.
The more you have, the more you want.”

“Now when did you last let your heart decide?”

“The more you gain by pretending, the less you're actually gonna have.”

“Sometimes you just have to see it from a different perspective.”

everglaze