「認知症への理解を深める一助となる作品か?」ばあばは、だいじょうぶ うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)さんの映画レビュー(感想・評価)
認知症への理解を深める一助となる作品か?
本人が困ったと解る内はまだ良い。
認知能力の欠落から来る失敗やトラブル、妄想的被害的エピソードを見るようになると当人、家族が大変な事になる姿を見せてくれる。
アルツハイマー型認知症の進行は早い。
今作のばあばはまだ77歳の誕生日を祝ったばかりだったが急激に進行する姿に家族も動揺する。
誕生日に親類が集まっていた時は笑顔だったが、認知症を患った途端に出てくる家族の姿。
兄弟で母親(ばあば)の扱いについての話し合いがもたれるも、施設に入れるなと注文だけつけて何もしない親族、偉そうに言いながら、妻に丸投げのばあばの長男(翼父)、一人でばあばの世話をする為に退職する妻(翼母)…なのに物盗られ妄想や24時間対応に疲弊する。長男である夫は大した事をしない。
高齢化社会を迎え、世間で勘違いしている人々には是非観ていただきたい作品になりそうだったが、もう一人の主役寺田心くんが目立つ。
演技力も目立つのだが、演出として押されている感じも受けるので、歪んだ見方をすればクサイ演技と取れる。
ただ、皆を忘れない様にと書かれたメモ書きは涙を誘います。
親族でハデに揉めるシーンはなく、ばあばの扱いがエンドロール内であっさりと見せられる事で、現実よりはやや甘めのラストで綺麗に終わっている。
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