劇場公開日 2019年9月20日

  • 予告編を見る

「SFが好きです」HELLO WORLD aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5SFが好きです

2019年10月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

私もSF大好きです。主人公の直実くんの机に並んでいたハヤカワ文庫、親近感湧くなぁ。グレッグ・イーガンの名前がでるとは、かなりハードですね、直実くん。タイトルに、少し歳の差は感じるけど。しかしながら、この辺りが本作のベースになっているようだ。この世界って何? 存在って何? 我々は脳で電気信号を処理して世界を認識しているが、本当にそれは存在してるのが、どうやったら証明できるのか? この世は夢か幻か。

マトリクスはもとより、古くは「うる星やつら ビューティフルドリーマー」とか「トータル・リコール」なんかが、夢と現実が区別つかない世界をテーマに作られている。最近だと「インセプション」なんか最高だ。個人的に、この手の話はとても好きなジャンルだ。

さてと、“hello world”。
プログラムに関わった方はよく知っているはずだが、プログラミングで最初に学ぶのが、コンピュータの画面に”Hello,World!”と表示させることだ。初期のパソコンのイベントでは、必ずこの文字が画面に出てた。コンピュータが目覚めて、人間の世界に挨拶しているようで、なんだかこれだけてワクワクしたものだ。そこから人間界は、あっという間に世界はコンピュータに浸透されて、いまや電気が止まるとコンピュータが動かなくなり、人間の生活の存続すら危うい時代になってきた。
本作はさらに時代は進み、未来の京都の話。そこでは、量子コンピュータが実運用され、京都の街をすべて測定して記録するプロジェクトが進行しているという背景設定だ。
と思ったら、普通の高校生活を送っている直実の前に、10年後の自分が現れる。彼は、直美がいるこの世界は量子コンピュータに記録された過去の世界だと言う。これが最初の展開。彼は、その世界のある事実を修正しようと、外界からログインして来たのだという。いきさつがあって、直美は彼と協力して、修正に挑戦するのだが…。
というと、とてもハードになるのだが、そこは若い学生。恋愛要素が絡んできて、物語はかなりソフトに進む。マトリクスのネオのように、世界を操る力を徐々につけた直美は、様々な困難を乗り越えて、目的を遂げる。

そこからの大盛り上げと、どんでん返しが、面白い。さらに最後の最後まで、話の展開は続く。これがこのジャンルの面白いところであり、賛否両論出てくるところだ。私としては、本作は大成功だったと思う。様々なSF要素を小難しい説明なしに組み込み、ボーイミーツガールの王道路線でまとめた、日本アニメならではの作りで、とても楽しめた。もう一度見直してみたい作品だ。

AMaclean