「この監督はもう観なくていいかな」アス つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
この監督はもう観なくていいかな
これは簡単に言うと面白くないスリラーだった。
もしかして自分が理解できなかった何かがあるのかと思って、ここのレビューで解説していそうなものを中心にいくつか読み、他で解説っぽいものも見たり読んだりしたが、私が気付かず分かっていなかったことなど1つもなかった。観ている最中も観終わったあとも。
低評価の人は分からなかったり気付けなかったりしてる人なんてコメントも見たけど、そんなことはない。理解していても普通に面白くないんだよ。
むしろ普通に観ていたら分かるし理解できるわけで、どっちかと言うとモロ出し過ぎて面白くないんだ。もっと隠されていて気付いた瞬間にニヤリとするみたいな快感がなかったよね。
そもそも、怖くない、笑えるところもない、ハラハラしない、ギリギリ感がない、などスリラーとして致命的ではないか?
それに、なんとなく音楽の使い方がイマイチだった気がした。気分が高揚しないのはきっとそのせい。
スリラーとテーマを融合させたアイデアはいいと思うけど、基本的なところでコケてる気がする。まずスリラーとして面白いこと。これが大事だろ?
まあ得体の知れない不気味さ、気味の悪さはなかなかだったけれど、それは割りと序盤で尽きてしまうからなあ。
シルエットだけの4人が並んでいるシーン。本当の意味で良かったのはあそこだけだった。
ジョーダン・ピール監督の前作「ゲットアウト」は内容こそ不快だったが面白くはあった(星1つにしたけど)
それと比べても更に数段落ちると思う。
「ゲットアウト」の魂がないバージョンのようなね。
ん?もしかしてわざと魂を抜いたのかな?だとしたらスゴいけど、そのせいで面白くないのでは意味がない。