劇場公開日 2019年12月20日

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「(日本では)不遇のシリーズ堂々完結」ヒックとドラゴン 聖地への冒険 くらさささんの映画レビュー(感想・評価)

5.0(日本では)不遇のシリーズ堂々完結

2019年12月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

ベッキー♪の謎テーマソング「エメラルド」しかり、2の劇場未公開事件しかり、このシリーズは本当に日本映画市場では恵まれない作品でありました。
理由は簡単で、予告や宣伝だけ見るとつまらなそうだからでです。「ヒックとドラゴン」という邦題がまずつまらないしあらすじも文章化すると1〜3作目までいずれも退屈。

しかし実際観るとこれが面白い。かなり面白い。子供はもちろん、大人が見ても納得の素晴らしいCGアニメーション。大抵の人は鑑賞前とのギャップも含めてなかなかの衝撃を受けることでしょう。

このシリーズの最大の魅力はプロットそのものではなく、それを活かす演出の素晴らしさでしょう。それぞれのキャラクターがどこで一番魅力的に映るかが考え尽くされており、ストーリーも王道でありながら着地点にはいつもスパイスが効いている。特に1作目は大人の心の琴線に触れまくる大傑作でした。ジョン・パウエルによる音楽も本当に素晴らしく、特に「Test Drive」は最高の一曲だと感じます。

そんなシリーズも今作でついに完結。物語の完成度としてはやはり1作目の衝撃を越えられなかったように思えますが、シリーズの完結作としては最高の出来。1作目からブレずに描き続けた「共生」というテーマがどう着地するのか、ご自分の目で確かめて欲しいところです。"Hou to train Your Dragon"と原題がスクリーンいっぱいに拡がるラストカットは感涙ものですよ。

Riku