劇場公開日 2019年8月2日

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「スキンヘッド凸凹コンビが最高すぎる!」ワイルド・スピード スーパーコンボ ケンシンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スキンヘッド凸凹コンビが最高すぎる!

2019年8月6日
iPhoneアプリから投稿

最恐ウイルスの拡散を阻止すべく招集されたのは、犬猿の仲の凸凹コンビ!
人類の命運は、2人のスキンヘッドおじさんに託される!

時間(136分)を感じさせないスピーディな展開。迫力のあるアクション。仲間意識の芽生えや、各々が克服すべき課題と向き合うドラマ。凸凹コンビであるが故に生じるコメディ。そして、漢くささに華を添える、ひとつまみのラブストーリー。これらが上手く描かれた結果、どの角度から観てもおもしろい作品に仕上がっています。

冒頭では、ホブスとショウの対比が見事に描かれており、「正反対の2人がコンビを組む上で衝突は必至であること、一筋縄では行きそうもない前途多難さ」が爆裂に伝わってきます。

どれくらい彼らが正反対なのか。例えるならば、ランボーとジェームズ・ボンドがコンビを組むくらいのミスマッチ(ちょっと観てみたい)。

そんな彼らにも、「大切な人を守りたい」という共通点があり、渋々ながらも行動を共にすることになるわけです。

また、主要人物のホブス、ショウ、ハッティ(ショウの妹)は、「家族の確執」という乗り越えるべき共通の課題を抱えています。彼らがそれに「どう向き合っていくのか」という点も見どころの1つでしょう。

最恐の殺人ウィルスの拡散を阻止すべく、行動を共にする彼らですが、なかなか1つにまとまりません。ウイルスの拡散まで、僅かな時間しか猶予がないにもかかわらず、その危機感に欠ける印象です。

そんな心構えでは、強敵に立ち向かえるわけもなく。彼らは、そこから大切な教訓を学んでいくわけです。具体的なことに言及すると、ネタバレになってしまうので、彼らがどんな目に遭い、どんなことを考え、どう変わっていくのか、という点は、ぜひ、作品を観て確かめてもらえればと思います。

本作を観て個人的に感じたことは、気が合う、合わないなど、人間関係のトラブルの原因の大半は、自分の心がけ次第で解決できるということ。

多種多様な人がいる世界で、居心地の良い人とだけ関わって生きていくなんてことは、100%不可能です。であるならば、相手の良いところをしっかりと見つけることが大切なのだと思います。

例えば、キムチをはじめとする漬物には独特の匂いがあり、好き嫌いが分かれますが、健康面において見れば、食べないのは非常にデメリットなこと。なんせ、発酵食品は科学が唯一認めるスーパーフードですから、健康のためには適量摂るべきなのです。
そんな感じで、デメリットを上回るメリットを見出せるならば、付き合い方も変わってくるはずですよね。

同様に、一見自分の敵のように見える人も、見方を変えれば何かしらの形で僕たちのメリットになるはず。仮に相手が何も変わりはしなくても、その姿を反面教師にし、自分を変えていくことはできます。

そんな風にして、日々、自分自身をアップデートしていくことで、自然と自分に足りない面に気づけるはず。どうすればより良い自分になれるのか、そのために何が必要なのか。自分の向き合うべき課題を見つけたならば、あとは行動に移すだけです。

本作においては、ホブスがもっとも成長し前に進んだキャラクターの1人でした。勇気を出して踏み出した彼の一歩は、たくさんの人を笑顔に変えます。その背中を押したのはショウでありハッティの存在でした。

半グレや反社のように、明らかに悪影響とな人は除き、積極的にいろんな人と関わる中でぼくたちの可能性は広がっていくのではないでしょうか。

というわけで、アクションあり、ドラマあり、教訓ありの最高な本作。シリーズ初見の人にはハマるきっかけに、シリーズファンの人にはキャラへの愛着を強くする絶好の機会になってナイスだと思います。
迫力ある大画面でぜひご覧ください!


ケンシン