「Stayin' Alive」ハッピー・デス・デイ 2U kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
Stayin' Alive
前作でも月曜の朝に毎回登場していたカーターのルームメイト、ライアン。ツリーとカーターのために車で寝泊まりしていたが、ループ地獄は彼のほうに移ってしまう。このループ。実はライアンたち理学部の学生サマーとドレーとともにが卒論テーマとして選んだ量子反応炉の研究によるものだった。
午後9時に起こる停電はこのためだったのか!と、まるで続編ありきで作られたかのような今作。タイムループとパラレルワールドの二重構造になっていて、18日月曜日に戻ってしまったツリーの周りでは微妙な変化が見られたのだった。カーターとダニエルが付き合っていて、3年前に亡くなったはずのツリーの母親が生きているという別次元世界。互いに顔見知りかどうかという設定も笑わせてくれる。
シシーの実験でループを閉じ、今の次元か元の次元かの選択を迫られるというツリーの心理も見どころのひとつ。要するに母親が生きている世界か、カーターと付き合っている世界かの二択なわけだ。その上、ロリが殺人鬼だった前作とは打って変わって、ロリとグレゴリーが不倫関係を続けていて、殺人犯にはなり得ない。そして、シリアルキラーのトゥームの存在も侮れないのだ。
『インセプション』(2010)や『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』(1989)にも言及しているように、複雑な時系列構造だけど、コメディ要素も強くなったおかげでとても見やすい。記憶力を試されたり、同じ日を繰り返すことによって体力が弱っていくツリー。疲れた様子は前作よりも激しくなっていたけど、撮影当時ですでに30歳超え。大学生にしてはちょっと老けて見えます・・・
どちらかというとコメディ色が強いので、1作目とは違った楽しみ方ができました。前作を見ていることが必須条件なのはBTTFシリーズと同じかもしれない。ただ、次元の選択をする葛藤はやっぱり弱かったかなぁ。
「ステイン・アライブ」の選曲も生き残るというメッセージが感じられ見事だし、『大アマゾンの半魚人』(1954)の映像もなぜだか素敵でした。