「【悪の道に堕ちた男が、肺の病により先はもう無いと考え行った”最後の善行”を描いた作品。真紅のドレスを着てガルベストンの浜辺に笑顔で立つエル・ファニングが哀しくも美しい作品でもある。】」ガルヴェストン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【悪の道に堕ちた男が、肺の病により先はもう無いと考え行った”最後の善行”を描いた作品。真紅のドレスを着てガルベストンの浜辺に笑顔で立つエル・ファニングが哀しくも美しい作品でもある。】
■裏社会で生きてきたロイ(ベン・フォスター)は、肺が病に冒され、自分の命が残り少ないことを知る。
その夜、ボスであるスタン・プティトゥコ(ボー・ブリッジス)に切り捨てられたことを知った彼は、その場に捕らわれていた若い娼婦・ロッキー(エル・ファニング)に請われて共に逃避行に出るのだった。
ロイは想い出の地であるガルベストンへ向かうが、その途中でロッキーは或るボロ屋により、銃声を響かせた後に、幼き”妹”ティファニーを連れて帰り、三人の逃避行は続くのであった。
途中【HELL IS REAL】と書かれた看板が立つ道を通りながら・・。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・何とも、哀しくも切なく、人間の善性と随所で描かれる悪性を考えさせられる作品である。
そして、哀しき定めを背負ったロッキーを演じるエル・ファニングの、美しさがその悲しみを増幅させる作品でもある。
・ロイが善行に走り、ボスであるスタン・プティトゥコの不正を握り、ゆする理由は劇中でも描かれるように、19歳のロッキーに、真っ当な人生を送らせるためである。
高卒の認定試験を受けさせ、大学にも行かせて、手に職を付けさせる。彼が出来なかった事ばかりである。
・だが、運命は残酷である。スタン・プティトゥコが放った追っ手は、ロイとロッキーが食事に行った際に二人を襲い、ロッキーは殺されてしまう。
そして、スタンが雇った弁護士から言われた言葉。ロイは懲役に付すのである。自分の胸の病が死病ではなかったと知った後に・・。
・そして20年が過ぎ、或る嵐が迫る日に彼のボロイ部屋に、成長したティファニー(リリ・ラインハート)がやって来るのである。
ロイは嵐が来る前に家を去れと言ってから、ティファニーはロイの娘である事。ロイが命懸けで彼女を救った事を告げるのである。
<今作は、悪の道に堕ちた男が、肺の病により先はもう無いと考え行った”最後の善行”を描いた作品であり、真紅のドレスを着てガルベストンの浜辺に笑顔で立つエル・ファニングが哀しくも美しい作品でもある。>
