「不安だったけど納得・満足!」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD むぎさんの映画レビュー(感想・評価)
不安だったけど納得・満足!
ツイッターやレビューでネタバレしてから鑑賞しました。
グッズや関連商品を集めるほどではないですが、ドラマは録画分を何度も見返すくらいに好きです。
大絶賛・辛口評どちらもある中、あらすじを知った上でみなさんの感想を読むと、辛口のコメントに「自分もこんな気持ちになりそう…」と感じるものが多く、早く観たいけどめちゃくちゃ不安で変な緊張でいっぱいでした。
いざ鑑賞し、結果から言うと、私としては満足!観終わったあとはこれまた変な安堵感でいっぱいでした。
粗を探せば、冒頭のカンフーアクションちょっと観てて照れ臭い…や、牧勘違いしたまま帰っちゃった…そのあとフォローナシ⁉︎や、花火大会のジャスの唐突な登場や、春田いきなり重役たちに面会できてるや、火事場のオマージュ多、それどころじゃないんじゃなど…
いろいろありはしました笑
その度にネタバレてた私は冷めてしまう自分を危惧しましたが、辛くて観てられない、ということはなかったです。むしろトータルすれば100点でだから星5つです。
力業感は否めないけれど、どのシーンにも伝わるものがあって、春田の人柄みたいに「完璧じゃないけど誠意がある」作りだったと思います。
爆破やドラッグ絡みがありながら、ドラマの世界観からそう逸脱したようにも感じませんでした。そこは素直に映画として楽しめました。相変わらずのメンバーがいてホッとしたし嬉しかった。
ジャスと狸穴さんがいてくれたことで物語に幅が出て良かったです。二人とも好きになれました。
ゆいPも演技上手、花嫁姿も可愛かった。
結婚式は部長も可愛くて幸せな気持ちになれて好きな場面の一つです。映画で初めてちゃんと部長可愛いって心から思いました笑
吉田鋼太郎さん凄い。ともすればバラバラになりそうな危うさも引き締めてくれていました。
そして一番好きだったのは自分でも意外な牧と春田がすれ違ったりケンカするシーン。
リアルで切なくて、仲良ししてるだけより個人的にキュンキュンしました。お二人とも切ない表情と演技がまあお上手で引き込まれました。
最後のキスシーンも甘過ぎず、いいキスだなあと。拒否じゃない、ただ幸せでもない、ドラマとはまた違うパターンの切ないけど前向きなキスシーンでジーンとしました。
ネタバレしてたのにいい意味で思ってたのと違って得した気持ちです。
だれかを貶めたりいたずらに身勝手に傷つける人がいない世界がおっさんずの特徴ですが、ただ優しいだけじゃなく、ぶつかり苦しみながらも人と出会って何か関係性を築くっていいなと映画を観て改めて思いました。
恋したくなる人が多くいるのも納得です。
恋じゃなくても日頃少なからず人間関係で疲弊する心が癒されたし、大丈夫ってリセットできました。笑って元気出ます。
そんな訳で観てよかった!
蛇足ですが、ドラマはあまり興味ないまま一緒に行った旦那さんは少し泣いたそうで聞いてびっくりしました。私は泣きはしなかったので「どの辺で」とたずねると、あるシーンで最近大怪我をしたお兄さんを思い出して涙が出たそうです。察せず安易に驚いてしまって申し訳なかった。
一見お祭りムービーなこの映画ですが、私たちのようにそれぞれの形で込められたものが伝わる作品だと思います。