「数字(お金)は稼げるかもしれないけれど」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 名無しさんの映画レビュー(感想・評価)
数字(お金)は稼げるかもしれないけれど
コアなファンではありませんがドラマに魅せられ、過剰な宣伝や展開に嫌な予感を感じながらも、あの世界観に浸れるなら…と、映画を楽しみにさっそく見に行きました。下げたハードルのさらに下を行く出来でした。
LGBTとかゲイとかいった言葉がなく、単純に純粋に"人を好きになるとは?"というテーマを貫いた希有でコミカルな恋愛ドラマが、非現実的で大味なお仕事映画に。その稚拙なストーリーとやりたかった爆破のシーンに向かって全てが組み立てられている…という印象です。
ドラマにあった丁寧な心情描写が映画ではない、と言われていてそれにも同意しますが、個人的にはキャラクターが大分ドラマから変わってしまったと感じました。それも魅力がなくなる一方向に。
悪い方向にデフォルメされすぎで辛い。応援する気になれない。
春田はいつの間に牧にベタ惚れになったのかまるでわかりません。そしてあまりに子どもっぽい。
子どもが好きと匂わせる場面なんてなかったのに、最後のあのセリフ…。とってつけたように言わせる必要があるのか。感動どころか、しらけました。
牧はそもそも春田のことをたいして好きなようにすら見えなかったのですが…。うっとうしがっている印象の方がよっぽど強いです(釣った魚にエサはやらない?)。花火のシーンの方がブラフに見えるくらい。
春田のどこを(それこそ結婚するほど)好きになったのかが映画だけだと全く見えてこない。
部長のジャスティスに対する暴力、本来は笑えないレベルだと思います。面白かったですけども。3パターン3回も、しつこいただのハラスメント。
主任の唐突なキャラ改変。コント化した異常性ばかりでカッコ良さがない…。
脚本で書ききれもしない中途半端な新キャラなんか加えた5ショットをオフィシャル本の表紙にするなら、春田・牧・部長・主任・マロの5ショットで十分でした。まあそのあたり大人の事情もあるでしょうけど…。
そして恐らく大多数が何より見たかったであろう恋人同士となった二人の日常。期待は見事に裏切られました。マグカップのグッズなんかまで作っておいて匂わせて一体何なのでしょう。
春田の帰国早々の初っ端から、牧が春田家を出て行くようにする必要性があるとも思えません。さらに最後また転勤で離れ離れで二度びっくり。
百歩譲ってその展開だとするなら、事前に二人の魅力が伝わるシーンが欲しかった。
牧サイドの役者及び事務所がイメージに傷がつくからと、本来この役は二度とやらせたくなかったのではと勘ぐってしまうくらい…(その割に最後のキスは割と濃厚でしたが)。
春田母にちゃんと牧を紹介するところ、避けては通れないシーンだろうと楽しみにしていたのですが。
春田と牧、最後、指輪はしていたけれど映画だけだと相性悪くて別れた方がいいのではとすら思いました。別れそうとも…。
続編はもう結構です。これ以上作品を汚されるくらいなら妄想で補完した方がよっぽど精神的に平和です。おそらくドラマは色んな偶然が重なっての奇跡の出来だったのでしょう。映画だから売らなきゃいけないのでしょうが、興行収入も気にしつつ、既存のファンの期待にも応え、初めて見る人にも配慮して作る力量も冷静な判断力のどちらもなかったということです。
二次創作が盛り上がりすぎたのが脚本に影響があったのかなどとも考えましたが、結局は全てが中途半端なただの駄作です。これで満足していては足元みられます。コアなファン向けアイテムで何らか補足するつもりかもしれませんが、こっちはそんなの見ません。
おっさんずラブをおすすめする時は"ただし映画を除く"と言わねばならなくなりました。
役者さんの演技の素晴らしさと奮闘ぶりに星1.5だけつけます。
春田が子供が好き~、のくだり 私もそう思いました。
公園などで 子供を微笑ましく見つめるシーンでもあったら あー子供好きなんだなぁ、と思えただろうけど なんか唐突な感じがしましたね。
尺が無さすぎるせいなんだろうけど セリフで説明みたいな感じになってる部分が多い気がしましたね。