劇場公開日 2019年8月23日

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「劇場版おっさんずラブLOVE or Dead の描く世界」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD 新さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0劇場版おっさんずラブLOVE or Dead の描く世界

2019年8月29日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

単発ドラマから始まり、視聴率を失敗したとテレ朝のトップに言われた連ドラ。しかしSNSや海外での反響、世界トレンド一位に動かされとうとう映画化になったこの作品。ドラマを見ていなくても名前くらいは聞いたことがあるかもしれない。
おっさんずラブ。
懸命に働く男たちが駆け引きなしに、愛する人のためにその恋心を伝えようとする数々の場面。それは決して成就するとは限らず、また、定番の主人公とヒロインが結ばれるわけでもない。ヒロイン吉田鋼太郎は、主人公が幸せになる為の手助けだけをするのだ。どんなに尽くしても叶わない恋。どんなに愛しても届かない心。こんな経験は誰にでもあるのではないだろうか。
劇場版ではエンターテイメント的な爆発シーンもあるが、それがあるからこそ、田中圭演じる春田創一と林遣都演じる牧凌太が、本当の心の底からの愛情表現、神への誓いの言葉がほとばしる出る。
それができたのも、黒澤武蔵、つまりヒロインたる吉田鋼太郎の心の叫びが2人を固く結びつけ、揺るぎないものにするのだ。
若い二人はすれ違い、大切な事を置き去りにして前に進もうとする。人と人との基本中の基本、目と目を合わせて話し合うこと。伝えようとする努力。互いを尊重し自分が相手の一番の応援団長であること。劇中で牧の母が大切な一言を言っている。コレは忘れてはいけない言葉だと思う。
人を愛することを怖がらずに生きていける気がする。
田中圭のオールラウンダーでクレバーな芝居。
林遣都が役に憑依し、劇中でも相手が変われば目の色で心が見えるような芝居。
若い役者たちと丁々発止の芝居をする吉田鋼太郎。

誰もがそのスクリーンの中に生きているような感覚。一度では足りない。何度も劇場に足を運びたくなるような作品である。

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