「天空不動産はまともな企業なのか?」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD りんりんさんの映画レビュー(感想・評価)
天空不動産はまともな企業なのか?
元々ドラマが大好きで、観に行きましたが、映画版は、ストーリー的に疑問が多く、撮りたいシーンのために、無理にストーリーを作っているように見えました。
私が一番疑問だったのは、天空不動産はまともな企業なのか?ということです。
本社の人間が営業所の意向を無視してまさに土足で上り込むようにガサ入れを始めたシーンで、まず強烈に違和感を覚えました。
大手の企業でそんなことある?
多少本社の人間にエリート意識はあっても実働部隊の営業所に敬意をはらうものでは?
牧は、ほんの少し前まで営業所だったのに、そこに何の疑義も唱えないって、営業所で何学んだの?
ドラマにおける春田の姿から何学んだの?
本来、本社と営業所を円滑につなぐ役割なんじゃないの?
あれじゃ、春田に上から目線と言われても仕方ない。
さらに、開発計画も謎。
開発後のビジョンが具体的にさっぱり見えないので、本社から営業所が短期間での無理な地上げを迫られるのも理不尽にしか見えませんでした。
(ついでにジーニアス7てネーミングも超ダサくて寒い。社運をかけたプロジェクトのチームなのに、天空不動産側の社員が狸穴と牧しかいないのも謎だし。)
なので、これで牧の夢を応援しろって言われても無理だわ〜と思いました。
牧が春田にメールの返信せず、同棲まで雑に解消するほど打ち込むに足る仕事とは到底思えませんでした。
ジーニアス7解消後もツッコミどころだらけでお粗末すぎました。
その思いが根底にあるので牧と春田のやり取りも、すれ違いというよりチグハグに感じたし、
ちずが牧くんに一方的に味方をするのもイラッとしました。
ドラマでは、ちずはもっと良きアドバイザーだったはずなのに、扱いが雑すぎる。
春田が帰ってきたばかりと言っても、2人で生活している雰囲気を全然感じられませんでしたが、話し合いもせずに、同棲解消とかないし。
いくら深く話し合うのを避けると言っても限度があるでしょ。
終盤で部長が牧にかまってヒロイン爆誕とかいろいろ言ってくれたので、多少溜飲が下がりましたが。
シーンごとに切り出せば、コメディパートは爆笑したし、牧と春田の花火、お別れ、爆発後、ラスト、蝶子さんとマロなど、もう一度観たいと思うシーンはたくさんあります。
でも映画として、人に薦めるのはためらうレベルでした。
まあ、また観たいシーンを観に行ってしまうんだとは思いますけど、そんな人も多いだろうから、興行成績はきっと安心なのでしょうね。
なんだかなあ。