「年齢・思い入れに応じて楽しめる」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD チューリップさんの映画レビュー(感想・評価)
年齢・思い入れに応じて楽しめる
ドラマからファンの私と、初見(ドラマも外伝も何も知らない)人と共に鑑賞。
あらすじも知らず、登場人物に関してもうっすら、とくらいしか知識のない方も声を出して笑い、少し涙ぐみ、エンドロール後の映像を見て「よかった」と席を立つ程度には楽しんでいました。
一方、映画化を待ち望み、脳内カウントダウンをし、この日を待ちわびていた私は「面白かった。楽しかった。良かった。でも物足りない…」という渇望が止まりませんでした。
演者の技術がドラマのときよりみんな上がり(金子大地さん、内田理央さんも、着実にうまくなってる)少しの齟齬や違和感も押し通してしまっている。
あれ?どういうこと?という部分も、田中圭さんや林遣都さん、吉田鋼太郎さん始め、新規のお二人も芸達者過ぎて
「まぁ、こういうものなのかな」
とスルーできてしまう。もったいない
映画ということでふりきる必要性もあったのだろうけど、結果、長いファンも新規ファンも若干おいてけぼり。
考察、妄想、受け手にお任せします、の部分が大きすぎる!もっと、公式の見解、ってのを強く打ち出しても良かった。
だって、娯楽作品だよね?ある意味、頭空っぽに体も心も全部委ねて作品の世界にどっぷり浸りたい。でもそれが許されない、って感じ。
一時も気が休まらない。画面の隅々、今話してる俳優以外にも目を耳をそばだてないと色々見逃す、映画一回しか見ない層は着いていけなくなる。
でも、映画だし、仕方ないのかな、という諦めも。だって私、なんだかんだ言いつつ楽しかった。星4.5つけちゃうくらい好きだし。
また見に行っちゃうだろうし、Blu-ray出たら買う。
最後も、みんなハッピーエンド期待して行ったのに。あ、いえ、ハッピーですよ?満足はしてます。
でも、まさか二期に向けて、牧くんがいない未来も想定してのあのシーン?と思うとしんどい。
未来永劫二人は永遠に結ばれます、めでたしめでたし、なんて現実的じゃないけど、それをあの二人に求めたかったんじゃないの?観客は。
もっと、単純に夢を見たかった。
あー、あの二人は運命だったのね、と浸りたかった。
いや、好きですよ?好きだけどー。
もっとー、夢を抱いてたのですよ、あの二人に。だからそこが少し寂しかったです