「感情が振り回されます」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD サッシーさんの映画レビュー(感想・評価)
感情が振り回されます
一番良かった点は、ドラマ版から1年という月日がたち、春田から牧への愛が確実に大きく育まれていた事。
この1年の間に、遠距離ながらも心を通わせていたんだと容易に想像が出来た。
突然牧が、香港の春田の家に来た時の春田の反応を見れば一目瞭然。
全体的には、おっさんずラブと言えば!なコメディの部分も随所に散りばめられ、笑ったり泣いたり…114分かなり感情がジェットコースターだった。
ただ、鳳凰山との対立が長引き、ドラマであんなにも大切に描かれていた、マロと蝶子さん
や政宗と部長の関係がサラッと流されていて、そこが腑に落ちない。
蝶子さんが、もう結婚はしないって言ってたのに、あれ?そんな簡単にOKしちゃうの?や、政宗の気持ちはどうして部長にそんなに熱く向けられるようになったの?など…。
ドラマ後に回収してほしかったその後のストーリーが、あまりにも簡潔に描かれていて残念。
狸穴さんやジャスティスの登場は、とてもスムーズにキャラクターとして入ってきて良かっただけに、もう少し違う描かれ方が良かった。
ドラマから追いかけて、念願の待ちに待った公開…というコアなファンには、春田が赴任後の牧の1年間の関係性とか、春田から牧へどんなシチュで指輪が渡されたのか?とか、牧はどんな場面で春田へシンガポール行きを相談したのか?とか、また離れ離れになって先を想像して下さいみたいな終わり方はいただけなかった。
お揃いの指輪はしてたけど、牧家には挨拶に行ったの?春田ママは了承したの?どういう感じで春田はお母さんに牧を紹介したの?など、もっともっと描いて欲しかった場面が沢山あった。
ラストは、問題なく次へ続けられる描かれ方をしていたので、ぜひドラマでも何でも良いので、2人の日常…籍は入れられないにしろ、どんな流れでパートナーとして周りに周知されてくかなど、おっさんずラブらしくコメディいれつつ描いて欲しい。
次に期待できる終わり方だっただけに、今後が楽しみな作品でした。