「爆破はちょっと分からない(笑)」劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD hagiさんの映画レビュー(感想・評価)
爆破はちょっと分からない(笑)
連ドラ版の出来が素晴らしかったので大変期待していた劇場版おっさんずラブ。
・『ドタバタコメディ』の部分
・『日本を揺るがす大事件』の部分
・『春田と牧カップルの痴話喧嘩と純愛』の部分
の大きく分けて3つのパートが絡み合いながら展開していく物語だな~思うのですが、
私は正直『日本を揺るがす大事件』部分のお話の流れの現実感不足と説得力不足に『???』でした。そこでうまく物語世界に入り込めなくてもどかしく思いました。あと花火での『なぜ今そこにいるジャスティス?』感など、ストーリー展開の面で説明不足を感じてもどかしい部分が他にもいくつかあった消化不良感で、星四つ評価としました。
でも、いっぱい笑わせてくれるコメディ芝居の良質さと、胸にズドンと刺さるラブストーリーの表現は、連ドラ版に引き続いて素晴らしいものでした。
『ドタバタコメディ』部分は、お芝居巧者の手練れの役者さん揃いの本作ならではの強みだと思います。役者さん全員、テンションの緩急、テンポと間の使い方が圧倒的に上手いので、何も考えず身を委ねているだけでめちゃくちゃ笑わせてもらえます。
『春田と牧カップルの痴話喧嘩と純愛』パートは、連ドラ版6話7話を固唾を飲んで見守り牧凌太の幸せを願った者としては最も関心をもって劇場版に臨んだパートでもあるのですが、
序盤から『おめーら圧倒的にコミュニケーション不足だな!?』とツッコミたい欲がフツフツ。いえ、いい意味で。なんだか、過去の恋愛や現在の夫婦関係で自分がやらかしてきた所業がポロポロポロポロ思い起こされて。わかりみが深い。あるある~。男性同士のカップルの話ですが『男性同士のカップル特有の悩み』にフォーカスが置かれている、というわけではないのか、女性と男性のカップルである我が家の事情にも通ずるものがたくさんあります。
春田と牧は、すれ違ってフラストレーションためて喧嘩しても、その度にきちんと本心を明け渡しあい理解し合って、互いの存在に励まされあって、本当の意味で一生共に生きていくパートナーになっていけるだろうなぁと、ふたりの幸せな将来像を確信できる良い完結編でした。
連ドラ版同様、少女マンガあるある、過去の名作ドラマあるあるなセリフも散見されます。春田さんが「私と仕事どっちが大事なの!?」的な、テンプレート的なこと言い出すからシリアスなシーンなのにちょっとふふってなった。あと、「偉くなれよ!」「いや官僚じゃないんだから」は踊る大捜査線へのオマージュなのかな?小ネタ探しも楽しそう。
先に説明不足と言った部分についても爆破に吹き飛ばされて記憶から抜け落ちた可能性があるので、確認のため近々もう一回観に行こうと思います。