「冗談通じない人は観てはダメ系」屍人荘の殺人 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
冗談通じない人は観てはダメ系
劇場公開中のレビューで、コメディとしてはのようなものをいくつか見かけた気がして、評価が低いこともありバカにした感じで書いているのだと思っていた。しかし実際に観てみると、本作は紛れもないコメディ作品で、たまにある、冗談通じない人は観てはダメ系の作品だった。
脚本家が仲間由紀恵と阿部寛の「トリック」と同じ人で、本作のノリはトリックそのものだったようにも思う。
そんなコメディの渦の中にミステリーとゾンビが溶け込んでいるような作品だ。
ミステリーそのものは大したものではないのだが、ゾンビと融合していることがすでに斬新すぎて驚かずにはいられない。
ゾンビの使い方は主に3つ。
ゾンビを使った閉鎖環境。ゾンビが犯人かもしれない状況。そして凶器がゾンビなこと。
ゾンビが多くの人に認知され、ドラキュラや狼男と同等の存在になった今、これほどまでにゾンビを吸い尽くして使い倒した作品は思い付けそうもない。
ここ数年であらゆるカテゴリと共演してきたゾンビだが、無事にミステリーとの融合も果たし、その懐の深さに驚きを隠せないが、ここまでくるとゾンビに無限の可能性すら感じる。
最初のうちの浜辺美波に全く興味がなかった。正直、綺麗だとも可愛いとも思わなかった。
それが「賭ケグルイ」を観たときに、こんなに艶々でキラキラな、下手をしたらただケバいだけのメイクが似合う人がいるのだなと、気になる女優に昇格した。
そして本作の比留子はまた、ツヤっツヤでテっカテカでつるっつるなのである。驚くことにそれがよく合っているのである。
もう確信した。浜辺美波は艶々なら艶々なほど良く、キラキラならキラキラなほど良い、生きた日本人形なのだと。
これだけでもレビューの平均が2点台とかありえないのではないかと思うほど心奪われた。
まあ無理だけど比留子と葉村くんのバディ探偵ものとか観たくなるよね。
その場合、明智さんは可哀想な感じになるけど、もうすでにそうなってしまったからいいか。なんか明智さんのリタイアの早さが一番の驚きポンイトだったかもなと急に思った。