「推理サスペンスではなく推理コメディホラー」屍人荘の殺人 mintierさんの映画レビュー(感想・評価)
推理サスペンスではなく推理コメディホラー
アマゾンプライムビデオで視聴しました。
殺人ってタイトルに入る映画は推理好きとしては興味惹かれますね。
ちなみに私は普段邦画やテレビをほぼ見ないのでこの映画の俳優の名前は神木隆之介さんしか知らないレベルです。
序盤は学校内の日常の事件解決を通して主要キャラの紹介的に話が進みます。名探偵(メガネ)とその冴えない助手(神木君)とミステリアスなヒロイン(美人)という構成で主要人数も3人と少なくシンプルですね。この後どんな難事件が繰り広げられるのか期待します。
ヒロインの依頼で主人公たちは山奥の別荘に。ここまでは完璧なまでの王道展開で不謹慎ながらも早く殺人事件起こらないかなとワクワクします。
この別荘近くで行われる音楽フェス参加の他大学の生徒と合流し一通りキャストが揃う感じです。そこから自己紹介があらかた終わって一同音楽フェス会場へ。会場で少し時間が経過していきますがそこから事態は急転直下します。
なんとこの映画は推理サスペンスものではなくゾンビもの映画でした…唐突な展開に最初は会場の若者達によるドッキリ企画を疑いましたがガチなやつです!(笑)
ゾンビといっても最近では様々なタイプがございますが、本作品のゾンビは昔から定番の足は遅く知能は低いがひたすら生者を追ってくるタイプです。
結構な数のゾンビから別荘に避難するために各々逃げ惑うのですが、館の入り口目前で主要キャラの一人が他の登場人物を助けるために犠牲となり脱落します。え、探偵役がもう死んじゃうの?この段階でもう何が何だかわからず目が離せません。
館に逃げ延びてからは主要キャラは神木君とヒロインの2人になり次々と殺人事件が起きます。犯人は館に紛れ込んだゾンビなのか、それとも…みたいな展開なんですが。
そもそも大量のゾンビが周辺にいる別荘内という非現実的な空間で真面目に殺人事件のトリックとか考えるだけ無駄という気もします。
一応真面目な推理要素も少しありますが、犯人自体は金田一少年とか読んでる方なら簡単に分かります。直接的な証拠というよりは違和感や矛盾の積み重ねですね。悲鳴を聞いたりして一同が集まった時、皆が死体を見つけて一点集中してる場面で後方で声出してメモ見つける人とか。
ちなみにこの作品のゾンビに感染させられると元に戻ることはできない模様。感染して死亡を経てゾンビ化のような描写でした。
なんだろう、やはり日本が舞台の作品でゾンビ出しちゃうと途端に現実感が崩壊しますね。宗教観が異なるため大半の日本人はアメリカ人が本気でゾンビ怖がるの全く理解できないですし、放っておけば腐って歩けなくなるか蠱毒みたいに共食いして全滅するんじゃないのと冷静なツッコミも許されないタブージャンルですから。
推理サスペンスを求めて視聴した方の中には怒ってしまう方もいるかと思われる内容ですがそれなりに楽しめました。一応推理した犯人当たってるかなという楽しみもありますし話のネタとして観ておくのもいいかもしれません。
続編は無いと思っていますが、エンディングではこのゾンビ現象が恐らく日本全てに広がっているような描写有り。一体誰がなんの目的でという部分も解明されていません。
もしかしたらバイオハザード的なサバイバルホラー映画として続編を制作なんて話もあるかもしれませんね。