人間失格 太宰治と3人の女たちのレビュー・感想・評価
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ただただ残念
映画を観る時はなるべく鑑賞前に作品の批評は見ないようにしているけれど、それでも目に入ってしまったときは、先入観を持たないようにと努めて鑑賞しているつもりです。今作に関しても同様で、「低評価が比較的多いな」とは思いつつも、それなりに期待感を抱きつつ席に着きました。結果的には本編に集中できずに、演出やストーリーの展開に対する不満や疑問がいくつも頭に浮かんでしまう状況で、鑑賞後に後悔の念が残るという非常に残念な時間を過ごしてしまいました。
僕自身、太宰治の作品はウィキペディアで代表作といわれるものぐらいしか読んでいないので特別にファンというわけでもないし、彼の経歴も詳しくは知りません。なので、作中における太宰治の人間性やら関係性やらにケチをつけるつもりは全く無いです。
ただひとつ、仮にも物書きを主人公として1960年代という時代を描くのであれば、もっと台詞に気を遣って欲しかった。あまりに現代的な話し言葉で、口調も軽く、内容もどこか薄っぺらくて文学的要素は著しく少ない。これが、太宰治の半生をテーマにして現代に落とし込んだ完全なフィクションであれば、多少は観続けられたかなとは思いますが…
映像作品という括りにおいては高い評価をされる分野もあるのかもしれません。色彩美や装飾に対するこだわりは、嫌というほど感じられました。女性陣の衣装や背景の色彩はそれなりに良かった。あとはひたすら出てくる花。花。花。しかし"映画"とは、伝えたいメッセージをあらゆる演出によって観ている人に届けるものだと思うので、そういう面で評価され得るところは少ないのかなと。物語の展開や音楽の使い方など、わざと気を散らそうとしてるのかと思うくらい粗が多い。
蜷川実花監督の前作の『Diner』でも同じような感想を持ってしまったので、個人的に監督との相性が悪いのでしょうね。ただやはり、蜷川幸雄さんを父に持つだけあって実力派の役者さんが数多く出演されているので、どうしても微々たる期待が抑えきれず、映画館に足を運んでしまいます。それ故に毎回思うのが、「ただただ残念」ということです。
綺麗な映像と豪華な出演陣、そして映画の大まかなあらすじ。これらが全て楽しめる予告編を観た直後が作品におけるピークですね。
二階堂ふみの乳首が1,800円でみれる
そう考えれば十分観るに値する映画。
太宰治のファンや文学好きにとっては冒涜に等しい品質らしくレビューも散々だが、特に思い入れの無い人やあまり深く考えない人にとっては十分楽しめる内容だった。女優陣の配役が良い。
ちなみにレイトショーでみたため大河ドラマ西郷隆盛での演技が記憶に新しいあの二階堂ふみの濡れ場が1,300円なわけで、大変良いものをみたという気持ちが大きい。
稀代の名作が産まれ、天才が死した小説『人間失格』に焦点を当てた秀逸な作品
舞台挨拶上映に参加。自分の死生観、死に様について時おり考える。映画を観て太宰治の死生観にどこか共感したのは狂気か。生を目いっぱい表現するための延長に死があり、その生き様に噛みつく若き三島由紀夫もまたけっきょく自害を選択する。でもそこの美しさは太宰治の自らの生に対する追求と三島が選んだ追い込まれた死と比較すれば自分は前者を選びたい。生と死を愛と恋という男女の機微をシンクロさせて蜷川実花さん真骨頂の色彩映像美とともに繊細に描写。稀代の名作が産まれ、天才が死した小説『人間失格』に焦点を当てた秀逸な作品
知識を入れてみた方が良かったのか
心情が伝わりにくかったと思う。話が浅いからなのか、深すぎてわからないのか、太宰を詳しく知らないからわからないのか。
芸術は分かりにくいのか、自分が芸術を分かるだけの知識や教養がないからなのか
蜷川作品に慣れておらず、演出や音楽に呆然とさせられるところもありました
それでも最後まで観られたのは、小栗旬と二階堂ふみの演技に惹かれたからだと思う
やや退屈でした
源氏物語の光源氏と同じで太宰はただの黒子。それで本丸の太宰が跳んでしまっている。かつて三島が「なぜ小説に自分の生活を合わせる必要があるのか」と蔑んでいたが、それを中和する太宰治の強さが見当たらない。核のない物足りなさが残った。
命がけの「人間失格」
初めて太宰の作品を手にしたのは、今から40年くらい前。当時、太宰役を石坂浩二が演じた「冬の花火」というドラマを通して太宰に興味を持ち、「人間失格」他、何冊か手にしました。
人の陰の部分や弱さをあからさまに描く、彼の作品は、正に彼自身の生き様が、表れているのですね。
今回は、太宰の史実を元にしながらも、そこは蜷川作品。僕的には、レビューで酷評されるほど、悪くはなかったと思いましたが…。
女と酒にタバコに酔いしれた太宰の人生を色彩美溢れた映像によって、耽美な世界観へと導いてくれていて、蜷川マジックに相応しい内容かと思いました。
ただ、自分が小説から感じていた太宰のイメージとは、小栗旬のキャラはチョット違うかな…。もっと線が細くて、母性本能をくすぐるようなイメージでした。唯一、妻の美知子の膝枕で、太宰が子供のように寄り添うシーンは、太宰の弱さと脆さがよく表れていたんじゃないかな。
周りを囲む宮沢りえ、二階堂ふみ、沢尻エリカの名だたる女優さんは、それぞれに良い味出して、役柄にピッタリだったと思います。特に、二階堂は体張ってましたね。三島由紀夫のくだりは、あそこだけ流れが浮いて、思わず苦笑してしまいました。あれは必要なかったんじゃないのかな(笑)
改めて、あの当時の作家というのは、あんなに心身削り、身を滅ぼしてまでしなければ、小説が書けなかったのか…と疑問にも思います。
お父さんが育てた俳優さんの起用も・・・
週末レイトな一本
こういう作品観ると、山田孝之・菅田将暉の凄さを再認識する。
二階堂ふみちゃんには、ぐいぐいイクのに・・・
エリカ様には、イケない小栗さん
ぐいぐいイケば、エリカ様も弾けてくれたのにw
宮沢さん含めて、3人の女優さんの圧勝って感じ(^◇^;)
松坂桃李の娼年くらいイカんと!!
頑張れ!ハリウッド俳優〜コングvsゴジラ大丈夫か!?
前作でも書いたけど、やっぱりこの監督さんは、ビジュアルスチールと舞台美術に特化した方がいいと思う。
それと、お父さんが育てた俳優さんの起用もそろそろ、、、☆3
キング・オブ・駄目男
小栗旬演じる太宰治のキング・オブ・駄目男っぷりが色気があっていい。
実話をベースにしたフィクションなので太宰治に幻想を抱いている人が観たら怒るかもしれませんが、太宰治と3人の女たちがそれぞれの狂気を持っていて面白かったです。
太宰に振り回された3人の女たちを描いたと、監督が言っていたのを目にしましたが、実際に振り回されたのは太宰なのでは?と思いました。
坂口安吾役の藤原竜也と三島由紀夫役の高良健吾が良かったです。
この女監督の評価は業界ではどんなもんだろうか!!!
意図的だろうけど何せ映像が暗いしエンディングや今風の音楽を取り入れてるのは合わない年配のベテラン監督に昔の東映作品の様に固く描いて欲しかったがこの監督やたら小細工したい方なのが好めない!
…。
つまらなかった。評価0なやつ。
蜷川ワールドでもなければ、
内容も薄いし、だからって
色恋沙汰満載でもなく、
何もかも中途半端。
ラスト20分くらいにとりあえずで
蜷川っぽさ出してきた感あるし
R15の意味も不明。
太宰治のこと全然知らないけど
もう少し描けただろう、
魅せられただろう、そんな感じ。
蜷川さん好きなだけに残念。
青
蜷川ワールドを心待ちにしていました
さすがですね~!さくらん程派手ではなかったけど美しかったです
私がちょっと気になったのは『青色』
冒頭静子が治に会うために走っていくシーンの青空、最後のシーンの雨上がりで澄んだ空気(イメージ)、庭の青い花、美知子の青い着物、こぼしたインクの青色、それを手足、顔に塗りたくって、真っ青
これはなにか意味のある『青色』だったのかなぁ…
個人的には青色が印象深く、心情やその背景を絶妙に表しているように感じました
人間観察をすると、治は妻美知子だけにはかまってちゃん全開!
甘い言葉など囁かないけど、心許していたのかなぁ…良くも悪くも甘えていたのかもしれない
一方美知子はどうだったんだろう?
治の遺書『お前を一番愛していた』をどんな思いで読んだのか…
読んだあと、ポイッと雑に手紙を手離し、洗濯物を干す様、そしてなんといってもあの美しい笑み!!!
美知子があんな顔を見せたのはあのシーンだけではないだろうか?
あの表情がすべてなのかもしれない
女ってたくましく美しいですね
「蜷川実花の俳優に対する愛」
今年97本目。
蜷川実花の俳優に対する愛がビシビシと伝わって来ました。
成田凌にそこでそのセリフ言わせますか。だし、
女優に対してももちろんで、二階堂ふみはそれに応えて命を懸けて演技していました。
死ぬ気で書いているか問われました。
まぁ予想通り
映像美だけの映画
監督が自分の好きな俳優だけを集めた映画
観る前からわかっていたけど
何も考えずに
世界観に浸れる映画もまぁ良いだろうと
誘われたので観に行きましたが
中身がなく
だだただ濡れ場が下品で不愉快だった
新鮮味に欠けるかな
この監督らしいといえばそれまでという作品だと感じた。キャラクターの独自性と人格が描ききれていないので感情移入できず随所に挿入される奇抜な映像で繋いでいる感じが否めない。
主要な女優三人におんぶに抱っこ。せめて志賀直哉たちとの討論を見たかった。
ダイナーはごめん、嫌だ!ってなったがこっちはいいぞ!
僕の趣味です。相変わらず音楽の使い方は微妙だなって思ってしまったが、やはり人を惹きつけるには場面の絵は凄く重要です。これをみて!感はありますが、その絵が綺麗で美しい。太宰治に共感はしてはならないもののやはり何かを作るひとは共感できる人はいると思う。
僕も映画監督をやっているがもの凄く太宰治に共感してしまった。作品作品と脳がなってしまうのは世に出し評価されることが幸福であり生きる希望になるのは作家はそんな人も多くいますよ。映画のために死ねる。小説のために死ねる。そんな勇気ありませんが、大きく心に響きましたよ。蜷川実花さん。監督して頑張ってください
世にもっと映画を。。。。
画が綺麗なだけの作品と思ったら違った
監督が蜷川実花だから、また画が綺麗なだけの映画だと思ったの。そしたら違った。
前半は画が綺麗なだけなの。でも本当に綺麗だから「画とBGMだけで観たい!」とか「ビジュアルブック出してくれ買うから!」と思ってたの。
でも小栗旬の才能あるダメ人間ブリがはまってて上手いし、ちょっと面白いかなと思った辺りで『書いて下さい。《人間失格》』がくるのね。
ここが全然駄目で冷めた。ここまでの話から浮いてんだよね。突然くる感じで「作り手はこのシーンだけは絶対にやりたかったから、話の流れ無視して入れたんだな」って感じなの。
そして、そうまでして入れたシーンで、気持ちが高ぶっていくところが祭囃子なのね。いまどき、テンション上がったーって示すのに、祭囃子はなあって、ちょっとヒイた。心象風景描写で紅い風車が一斉に回るのもあったけど、ここもヒイた。
そのシーンが終わったら、通常モードに戻ってね、ここからは面白いの。
三人の女が太宰の【才能】とどう付き合うかって話になんのね。
蜷川実花は写真家である種の天才だから【才能】のことは良く解るんだろうと思ったね。と、そこまで考えて、映画製作に関わってる人は、【才能】を日常的に目にしてるだろうから、スタッフもみんな良く解るんだ。俳優も。
三人三様を観てて「正妻って強いな」って思った。太宰がメチャクチャやったって、結局最後は正妻のとこに戻るもんね。
あと、みんな結局、太宰の【才能】が好きなんであって、太宰が好きなわけじゃないんだろうな。そりゃ太宰も『死んでやる』みたいになっちゃうよね。
全編通じて画は予想通り綺麗。ヴェンダースとためはれる作品じゃないかと思ったもん。
三人の女に赤・青・緑とテーマカラーがあるのも解りやすくていい。一つ一つのカットがいちいち綺麗で、さすがニナミカ、木村伊兵衛賞受賞者と思ったよ。
これはこれで面白かった。
良くも悪くも蜷川実花ワールド全開!、といった感じで、これはこれで有りだと思いましたが、好き嫌いはあるでしょうね。
「人間失格」の太宰のイメージはもう少し、弱々しく、暗い感じですが、小栗旬は結構エネルギッシュな色男風で、ちょっと違うかも、とは思います。
とにかく赤を基調とした色使いや、花やどアップの使いかたなど、ある意味分かりやすい映像と、レトロ感と新鮮さがうまく融合した音楽が印象的。
そして女の”情念”のようなものをかなりエグいところまで描ききっているところは、さすが女性監督ならではの圧倒的な世界でした。
(個人的には、宮沢りえの存在感が最高です!)
太宰はともかく、一つの映画として見れば、面白い作品でした。
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